此の世界での存在意義とは。 ページ6
立ち上がった私は、廊下を少し歩いた先の広間に案内された。
雪原のような白いテーブルクロスに包まれた猫足の長いテーブルを挟んで男と向き合うようにソファに座らされた。
テーブルの上には色とりどりの果実や黄金に輝く燭台が豪華に飾られていた。
｢却説、君は私に聞きたい事が山ほどあるらしいね。答えるのは私の義務だとは思うのだが、少しばかり長い話になる。飲み物のオーダーはあるかい？｣
私は暫く悩んだ後に｢貰っても宜しいのなら、紅茶。ストレートをお願いするわ｣と返した。
男は機嫌良さそうに携帯を取り出すと｢嗚呼広津さん。紅茶を2つ、ストレートで。｣と頼んでいた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
却説、本題に戻ろうか。
私達は先程述べた通り、“召喚”によって君を異世界…平行世界、と呼ぶべきだろうか。兎も角｢此の世界ではない別世界｣から君を呼び寄せた。
可能なのか疑うのは君の自由だが、今君が足取りも覚えていないが此処に居るという事実と、聞いた事の無い｢ポートマフィア｣という組織がこんなに大きなビルを構えているという事実を考えてみれば分かるんじゃないかな？
何故君を召喚したか。此れは簡単な話だ。
君に、ポートマフィアで働いて貰おうというだけの話だ。
｢異能力｣というのを知っているかい？
此れは誰にでも持てる物では無く、何らかの要因によって発生する特異な物…“力”だ。異能力を持っている者はそう多くはない。然し、異能力を所持する者は大きく戦況を左右する。
私達は、異能力者を重要視した。
其処で私達は、古くからポートマフィアに伝わる｢伽話｣に手をつけた。
今はもう滅びたが昔はポートマフィアも異能力の研究を少ししていた。血の暴君と呼ばれる先代首領に危険視され、相手に渡らせる前に書物だけ確保して…殺された。その書物を、首領の地位に立った私は目にしていた。
白紙の文学書とまでは行かないが、それに相応する程度の力を持った“此の世と平行に動く世界を繋げる能力”…という、魔術にも似た行為が可能という伝承が、其処には記されていた。
白紙の文学書に折り畳まれた無数の“可能性の世界”。白紙の文学書の力ではその可能性の世界を呼び起こせるが、その魔術では｢可能性の世界から召喚に応じた者を此の世界に召喚出来る力｣が発揮される。その力が今、君を此処に呼び寄せた。
ふう、と一息吐く森鴎外という男。
｢つまり貴方は其の召喚という名のお遊戯をしたという事？｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 31人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Lease(プロフ) - お久しぶりです、切愛と申します。突然ですが、2年振りにアカウントを変更してリメイクをさせて頂きます。以後この内容はLeaseに引き継がれますので、どうぞ宜しくお願い致します。 (2021年10月1日 19時) (
レス) id: 38aa326773 (このIDを非表示/違反報告)
切愛 - 私の端末で問題が発生しています。ログインしようとしてメールアドレスとパスワードを入力したら、その前のページに戻ってしまい、ログインが出来ません。解決方法が分からず、、しばらく投稿出来ないかも…ネタ自体はできているので…少々お待ちください。 (2020年3月31日 9時) (レス) id: a4a2215412 (このIDを非表示/違反報告)
切愛(プロフ) - ごめんなさい…投稿全然出来てません…学校休みになりましたので、今後はきちんと投稿させていただきます…どうかお見捨てならず付き合っていただけると大変光栄にございます (2020年2月29日 9時) (レス) id: 582fb3c1a0 (このIDを非表示/違反報告)
神代 雫(プロフ) - 初めまして。作品読ませていただきましたが、とても丁寧に書かれていて読みやすかったです。これからも更新楽しみにしています。頑張ってください！ (2020年1月25日 11時) (レス) id: ebdbc134af (このIDを非表示/違反報告)
切愛(プロフ) - 皆様こんにちは、とうとうお話がいっぱいになりました。次の1話書け次第続編公開するので暫しお待ちを。あと更新出来なくて本当にすみませんでした！これからは更新頻度落ちないように頑張っていきます。まだまだ続きます、これからもどうかよろしくお願いします！ (2020年1月14日 20時) (レス) id: 6f3c1f7dd8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：S/S x他1人 | 作成日時：2020年1月1日 20時
