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「…何言ってやがんだ、テメェ」
がやがやと騒がしい教室内で
私と少年のいる、この空間だけが静かに感じた。
「言葉通りの意味だけど」
表情には出ていないのだろうけれど
「…あぁ、ごめん 私が一方的に貴方を知ってるだけ」
これでも私は この少年に会えた事を
かなり嬉しく思っているのだ。
心臓のあたりが焼ける様に感じた、あの痛みの正体を知ることが出来るかもしれないのだ と
そう思ったから。
「貴方の個性は、人の心臓を火傷させるのか?」
「……はあ ?」
率直に聞いたのにも関わらず
彼の口から漏れたのは、馬鹿にした様な声だった。
「なあ美潮〜 」
身体を後ろへ向けて
そんな私たちのやり取りをただジッと見ていた
切島、という少年が口を開く。
「爆豪ってまあ黙ってりゃ顔は良いけどさあ」
「人前で泣くような男じゃねえし、個性も違うぜ?」
「多分人違いじゃね?」
「それに!コイツすげえ口悪いし行動も野蛮な奴だから、美潮の見たって言う男とは全然ちが」
屈託なく笑うその少年の言葉は途中で途切れる。
「黙ってろやクソ髪ぶっ殺すぞ!!!」
「いっでぇ!?」
爆豪という彼の 両手の平から大きな爆発が起きたせいで。
彼の個性は明らかに"コレ"。
確かに、私の心臓が痛みを感じたという話に 彼の個性は関係がないみたいだ。
それでも 納得はいかない。
どう見ても彼は、朝の彼なのだ。
「…そう、勘違いだ ごめんね」
けれど私は納得した様なフリをする。
「うっせ、テメェも黙ってろクソブス女」
「…… わ か っ たー …」
そして
黙れと言われて 私はそれを無視するわけにもいかず
小さな小さな声でそう返事をしたのだ。
「ぶっはッ!! 美潮さん超面白いやん!!!!」
「爆豪ちゃんも調子狂わされそうね」
「狂わされてなんかねえわ!!!
お前もふざけてんなよ調子乗んなクソ転校生が!!!!」
彼の暴言ボキャブラリーは案外乏しいのかもしれない。
それでも
いつかの儚さは全くと言って良いほど 無し。
もしかしたら切島の言う通り
本当に彼は、朝の人間とは別人なのかもしれない。
…はて、謎 。
《 第一印象は互いに底辺から 》
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キリ - 美潮ちゃんの見た目聞くとアリ○ル見たいですけど似せたんですか?とっても面白いです (2018年1月7日 5時) (レス) id: e989008aff (このIDを非表示/違反報告)
西垣(プロフ) - アカネ先輩さん» とても嬉しいお言葉ありがとうございます!! ぜひ読みに行かせて頂きますね◎○続編になりますが、そちらで更新頑張りますのでお付き合いくだされば嬉しいです ありがとうございます! (2017年5月21日 21時) (レス) id: ca90c69f0b (このIDを非表示/違反報告)
アカネ先輩(プロフ) - めっちゃ面白い…タイトルに惹かれて一気に読みました!作者さんの書くかっちゃんがかっこいいです!私もかっちゃんと轟くんの短編書いているのでよかったらみにきてください!更新楽しみにしてます(´˘`*) (2017年5月21日 2時) (レス) id: ad572bf5b5 (このIDを非表示/違反報告)
西垣(プロフ) - みいるさん» すごくすごく嬉しいです!!!もっと楽しんで頂けるように頑張ります、シリアス回続きますが根気強くお付き合いください…(泣)ありがとうございます!◎○ (2017年5月19日 22時) (レス) id: e58a020c03 (このIDを非表示/違反報告)
西垣(プロフ) - るるるさん» ひえええ(泣)恐れ多い…ありがとうございます…頑張ります…(泣) (2017年5月19日 22時) (レス) id: e58a020c03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:西垣 | 作成日時:2017年4月16日 22時