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それからもギャアギャア と一方的に怒り散らしていた爆豪くんは、校門をくぐったところで深くため息をつき

チッ、と舌打ちを残し
私たち2人を置いてずんずんと進んでいってしまった。





「ご、ごめんね美潮さん かっちゃんの口の悪さはあれが普通で…」

「ええ 理解しているわ」



おずおずと 優しげな声を出す緑髪の少年。
君が謝る事ではないだろう、と言うと また1つ謝られた。

心優しいヒーローになるんだろうなあ、と彼の眼をじ と見る。


「ところで、名前を聞いて良いだろうか」

その私の言葉に 彼は漫画のように ズコーッと転んでしまった。





「あ、はは 一応同じクラスなんだけどね…」


パンパン、とズボンに付いた砂を払いながら
彼は人好きのする無垢な笑顔をこちらに向け、優しい声で自己紹介をしてくれた。

緑谷出久です、と。




「これからよろしくね」



ス、と差し出される右手は握手を求めていた。

ちらほらと登校する生徒らの視線の端に自分たちが映ることに緑谷くんはすこし照れ臭そうにしていたが

私は特に何も感じることなく 、その手に応じようとした。


「ああ、こちらこそ…」


後 数センチで彼の手に触れるだろう

そう思ったところで
私のその左手は 自身の意思に関係なく、明後日の方向へと避けてしまった。






「…びっくりするでしょう、爆豪くん」



詳しく説明させてもらうと
先に行っていたはずの爆豪くんが鬼のような形相で、差し出していた私の手を ぐい と引っ張ったのだ。


沸々とした怒りを携えながら、鋭い視線を緑谷くんにやった彼は
「コイツに触ろうとしてんじゃねえぞ、デク」
と静かに言葉を残し 私の手を掴んだまま歩を進めた。

ぽかんと口を開けた緑谷くんを置き去りにして。





「変な奴にくっ付いてんじゃねえって言っただろブス」

「君が先に行ったんだろう。
それに 焦凍くんも緑谷くんも変な奴じゃあ無いと、」



「俺以外の男は全員変な奴だ 覚えてろ」






ずんずんと生徒らの間をぬって早足に歩きながら、完全に言い切った彼の言葉に小さく口を開いた。

今の私は、先程の呆気にとられたような緑谷くんと 似た表情をしているかもしれない。



「…へんな爆豪くん」


ぽつりと呟きながら 私は掴まれた手の熱さを感じていた。



なんだかそれ
私のことを好いているように聞こえるよ なんて自惚れたことを考えたのは、どうか気付かないでほしい。






《 交わらず互いに鈍感であり 》

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キリ - 美潮ちゃんの見た目聞くとアリ○ル見たいですけど似せたんですか?とっても面白いです (2018年1月7日 5時) (レス) id: e989008aff (このIDを非表示/違反報告)
西垣(プロフ) - アカネ先輩さん» とても嬉しいお言葉ありがとうございます!! ぜひ読みに行かせて頂きますね◎○続編になりますが、そちらで更新頑張りますのでお付き合いくだされば嬉しいです ありがとうございます! (2017年5月21日 21時) (レス) id: ca90c69f0b (このIDを非表示/違反報告)
アカネ先輩(プロフ) - めっちゃ面白い…タイトルに惹かれて一気に読みました!作者さんの書くかっちゃんがかっこいいです!私もかっちゃんと轟くんの短編書いているのでよかったらみにきてください!更新楽しみにしてます(´˘`*) (2017年5月21日 2時) (レス) id: ad572bf5b5 (このIDを非表示/違反報告)
西垣(プロフ) - みいるさん» すごくすごく嬉しいです!!!もっと楽しんで頂けるように頑張ります、シリアス回続きますが根気強くお付き合いください…(泣)ありがとうございます!◎○ (2017年5月19日 22時) (レス) id: e58a020c03 (このIDを非表示/違反報告)
西垣(プロフ) - るるるさん» ひえええ(泣)恐れ多い…ありがとうございます…頑張ります…(泣) (2017年5月19日 22時) (レス) id: e58a020c03 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:西垣 | 作成日時:2017年4月16日 22時

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