427pager “ただいま” ページ38
･
天探女は驚愕したようにプルプルと体を震わせ、
嫌だ嫌だと首を振りながら、
縁の尾に向けて切りかかる鶴丸に
最後の足掻きに攻撃を仕掛ける。
………が、それは長谷部と青江、
大倶利伽羅によって防がれる。
長谷「貴様はもうA様を追えまい。
彼女は、我々が連れ帰る。
探しても無駄だ。俺達が彼女を貴様から隠す」
天探《や、め………よ。止めよ………
止めよぉぉおおあああああっ！！！！！》
鶴丸「切れろ！！」
ザンッ！！
そして──縁は切られた。
not,side〜end〜
───────────────
Aside
縁が切れた瞬間。私は気を失った。
その間に………夢を見ていた気がした。
声がする。懐かしい声。
あの断末魔ではない、穏やかな声。
嗚呼………声達が、飛んで逝く。
まるで、檻から放たれた小鳥のように。
自由になって………嬉しそうに飛んで逝く。
??「良かった」
『！(この、声は………)』
??「Aって名前、貰ったんだね。
いい名前。良かったねA」
懐かしい声。
知っている………これは兄の。
その時、ふわりと………小さな男の子が
私の頭をそっと撫でたような気がした。
『お兄……ちゃ…………』
兄「ありがとう。出してくれて。
………四重家の人達の因縁を断ち切ってくれて。
ようやく、僕もあっちに逝けるよ」
『！待ってっ！！』
兄「大丈夫………ずっと、見守ってる」
『お兄ちゃん───！』
話したい事。もっと沢山あるのに。
もうお別れだなんて。
名残惜しくて、空へと昇る声に手を伸ばす。
涙が溢れた。
愛しくて、大切な………
『大好き、だったよ…………お兄ちゃん。
助けてくれて………守ってくれてありがとう。
ｯ………あり、が……と………っ』
見つけたんだよ。お兄ちゃん。
大事なものを。やっと…………
【唯一無二】を見つけ出せたんだよ。
ごめん。まだ、そっちには逝けない。
帰りたい場所が出来たから。
もし、君が天国という場所に逝けたなら、
どうか………見守っていてほしい。
私はここに居ると………君に毎日伝えよう。
約束する。私はこれからも神様には頼らない。
私にはもう必要ない。
私は、ここで生きていく。
人として生きていくから。
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冷泉 雪桜(プロフ) - ネコマタさんのちょびひげさん» とても心に来る叫び、届きましたー！！いつもありがとうございます。今回は主人公の成長とバラバラになっていた本丸の刀剣達が一つになりつつある描写が書きたかったので、楽しかったですー！ (2021年8月31日 20時) (
レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
ネコマタさんのちょびひげ(プロフ) - 鶴丸さん滅茶苦茶に体張ってましたね。いやみんなMVPですけれども!（ほんと誰目線なんですかねすみません）でも、腕とか目とかほんとドキドキしっぱなしでした…。なにせ白焔シリーズが……ハハッ。大好きですけどね!白焔シリーズ!!!ふう…。怒濤の長文失礼しましたっ! (2021年8月31日 20時) (レス) id: d3a88c7d37 (このIDを非表示/違反報告)
ネコマタさんのちょびひげ(プロフ) - はい、ほんとうに成長していました…。随分長く見守っていたからか、なんだかもう親のごとく号泣させてもらいました。（おま誰目線や）…詩重ちゃん、ほんとうに良かったねえええ!幸せにね!これからも見守らせてね! (2021年8月31日 20時) (レス) id: d3a88c7d37 (このIDを非表示/違反報告)
ネコマタさんのちょびひげ(プロフ) - 冷泉 雪桜さん» はっ、長谷部ええええ!!!!叫んでごめんなさい!!!でもこれは叫んでもいいですか!?なんだかほんのり……あれっ!?思い出しかけてるような……。やはり別個体の神域のなかで、共に別個体の鶴丸と神域仲間の大倶利伽羅がいたからでしょうか…… (2021年8月31日 20時) (レス) id: d3a88c7d37 (このIDを非表示/違反報告)
冷泉 雪桜(プロフ) - ネコマタさんのちょびひげさん» 本当は、神隠しが何よりも怖いものなのに、それを承知でやった所がとても彼女の成長を感じますね。 (2021年8月27日 21時) (レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冷泉 雪桜
| 作成日時：2021年8月16日 11時
