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その時。
バキンッ！！と何かに大きな卑劣が
入ったような音がした。
それは赤神の右腕に、ヒビが入った音であった。
人の体である筈の体にヒビ。
本来あり得ない光景に、
刀剣達は赤神を止めようとする。
蜻蛉「赤神殿っ！もう駄目です！
門の維持をやめてください！！」
堀川「もう限界だよ！赤神さん、止めてください！」
ムエ《…………おい》
赤神「駄目だ。止める訳には、いかな、い」
それでも辞めない赤神に対し、
ムエはハァと溜め息一つつくと、
赤神の隣に並び立つ。
そして、自身のうなじにあるボタン……
いや、そのボタンのようなモノを抜き出し、
円柱の機械を取り出す。
その機械の中には水晶のようなものが入っていた。
この水晶が“霊力データ”であり、
人間の霊力を“結晶化”した物の事を言う。
ムエはそれを取り出し、赤神に持たせた。
ムエ《使え》
赤神「…………え、？でもコレ……」
ムエ《人間と違って、私達アンドロイドは
霊力を失ったところで、動けなくなる訳じゃない。
…………忘れたのか？》
赤神「それは私も持っ───」
ムエ《使え。私には要らないモノだからな》
赤神の言葉を遮るようにムエは乱暴に
霊力データを赤神に持たせた。
赤神は何か言いたげにしていたが、
やがて諦めたように、その霊力データを用いて
門の維持を続ける。
ムエ《誰が人間らしい、だ。
魂のない私達が、感情がある筈ないだろう。
人の真似事をしているに過ぎない》
赤神「…………そうか。そう、だね」
ムエ《(馬鹿な奴だ………)》
大事なモノ、なんか作るからだ。
と、ムエは赤神を補助しつつも
そんな事を考えていた。
彼女は固定のモノに、
こだわりは持たない性格であった。
故に、赤神の言葉は彼女にとっては
正反対のモノであり、そうとは思わない。
否定はしないが、理解はしない。
いや………理解をしてやれない、
と言うべきであろうか。
だがムエは、そう思える、そう考えられる赤神が
正直羨ましくも思えた。
ムエ《大事なモノなら、手放さない事だ》
赤神「！」
ムエ《どの道、私やお前も………
先は残されていない。後悔しない方を選べ。
私はもうそれらを全て無くした後だし、
鬱陶しくて捨てたモノだ。
でも、お前は違う。だから選択を間違えるなよ》
赤神「え、何怖………変なもん食べた？」
ムエ《あ？………ぶち壊すぞ》
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冷泉 雪桜(プロフ) - ネコマタさんのちょびひげさん» とても心に来る叫び、届きましたー！！いつもありがとうございます。今回は主人公の成長とバラバラになっていた本丸の刀剣達が一つになりつつある描写が書きたかったので、楽しかったですー！ (2021年8月31日 20時) (
レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
ネコマタさんのちょびひげ(プロフ) - 鶴丸さん滅茶苦茶に体張ってましたね。いやみんなMVPですけれども!（ほんと誰目線なんですかねすみません）でも、腕とか目とかほんとドキドキしっぱなしでした…。なにせ白焔シリーズが……ハハッ。大好きですけどね!白焔シリーズ!!!ふう…。怒濤の長文失礼しましたっ! (2021年8月31日 20時) (レス) id: d3a88c7d37 (このIDを非表示/違反報告)
ネコマタさんのちょびひげ(プロフ) - はい、ほんとうに成長していました…。随分長く見守っていたからか、なんだかもう親のごとく号泣させてもらいました。（おま誰目線や）…詩重ちゃん、ほんとうに良かったねえええ!幸せにね!これからも見守らせてね! (2021年8月31日 20時) (レス) id: d3a88c7d37 (このIDを非表示/違反報告)
ネコマタさんのちょびひげ(プロフ) - 冷泉 雪桜さん» はっ、長谷部ええええ!!!!叫んでごめんなさい!!!でもこれは叫んでもいいですか!?なんだかほんのり……あれっ!?思い出しかけてるような……。やはり別個体の神域のなかで、共に別個体の鶴丸と神域仲間の大倶利伽羅がいたからでしょうか…… (2021年8月31日 20時) (レス) id: d3a88c7d37 (このIDを非表示/違反報告)
冷泉 雪桜(プロフ) - ネコマタさんのちょびひげさん» 本当は、神隠しが何よりも怖いものなのに、それを承知でやった所がとても彼女の成長を感じますね。 (2021年8月27日 21時) (レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冷泉 雪桜
| 作成日時：2021年8月16日 11時
