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天探《しかし、どうもうぬは躾がなっておらぬの。
逃げては困る。仕置きがいるの》
『！！や、だ………嫌だっ、止めて！お願い！！
触らないで！やだよぉっ！！』
天探《なに、その美しい瞳を【取るだけ】じゃ》
『いや………いやだぁあああっ！！』
………時には、片目を抉り取られた事もあった。
不思議な事に痛みは無かったが、
その日以来………私は左目が見えていない。
神は人のような愛し方はしない。
ただ無慈悲に、こちらの精神を奪っていく。
神の愛し方に耐えれる人間なんて、
この世には居ない。
…………そう言えば。神域の中で聞いた音。
とても、悍ましいものだったな。
まるで断末魔のようや叫び声が、
常に聞こえるような場所だった。
あの断末魔は一体、誰なのか。
いや、言わずもがな。あれは恐らく歴代の
四重家の人間のものだろう。
過去に【神降し】を行ってしまった者達。
彼らは神域で、どんな最期だったのだろう。
きっと私はこの神域で死ぬのだ。
あの、断末魔の一つに成り果ててしまうのだ。
……………カミサマなんて。
カミサマなんて嫌いだ。
理不尽で、不条理で。
でも抗えない。カミサマは強くて、
ちっぽけな私では太刀打ち
出来るような相手じゃない。
人として、死ねないのだろう。
私はこの神域の主である天探女の神気を
浴び続けて、人ならざる者と成り果てるだろう。
自分の最期を7歳にして悟った私は、すべてを諦めた。
───────────────
だがどういう訳だろうか。
気がついた時、私は四重家の
実家の布団で目覚めてた。
何が起こったかわからない。
左目に触れると、そこには眼帯があって、
体には包帯が巻かれている。
神域のあの断末魔が聞こえない。
………信じられなかった。私は、戻ってこれたのだ。
『………ど、して……？私…………
………ﾊｯ、お兄ちゃん……！』
我に返った私は兄を探すために飛び起きて、
寝間着のまま、家を探し回った。
名も分からぬ兄を呼び続け、母の部屋を訪れる。
するとその部屋にいた母は泣いていた。
『お母さん………？お母さん、お兄ちゃんはどこ？』
「ｳｯ､ｳｳｯ………！」
『ね、ねぇ、お母さんてば、』
「お嬢様」
『！お手伝いさん………』
泣いてばかりいる母を譲りながら問うが、
母は応えることなく、ただ泣いていた。
そこに家のお手伝いが私に声をかけた。
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冷泉 雪桜(プロフ) - ネコマタさんのちょびひげさん» とても心に来る叫び、届きましたー！！いつもありがとうございます。今回は主人公の成長とバラバラになっていた本丸の刀剣達が一つになりつつある描写が書きたかったので、楽しかったですー！ (2021年8月31日 20時) (
レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
ネコマタさんのちょびひげ(プロフ) - 鶴丸さん滅茶苦茶に体張ってましたね。いやみんなMVPですけれども!（ほんと誰目線なんですかねすみません）でも、腕とか目とかほんとドキドキしっぱなしでした…。なにせ白焔シリーズが……ハハッ。大好きですけどね!白焔シリーズ!!!ふう…。怒濤の長文失礼しましたっ! (2021年8月31日 20時) (レス) id: d3a88c7d37 (このIDを非表示/違反報告)
ネコマタさんのちょびひげ(プロフ) - はい、ほんとうに成長していました…。随分長く見守っていたからか、なんだかもう親のごとく号泣させてもらいました。（おま誰目線や）…詩重ちゃん、ほんとうに良かったねえええ!幸せにね!これからも見守らせてね! (2021年8月31日 20時) (レス) id: d3a88c7d37 (このIDを非表示/違反報告)
ネコマタさんのちょびひげ(プロフ) - 冷泉 雪桜さん» はっ、長谷部ええええ!!!!叫んでごめんなさい!!!でもこれは叫んでもいいですか!?なんだかほんのり……あれっ!?思い出しかけてるような……。やはり別個体の神域のなかで、共に別個体の鶴丸と神域仲間の大倶利伽羅がいたからでしょうか…… (2021年8月31日 20時) (レス) id: d3a88c7d37 (このIDを非表示/違反報告)
冷泉 雪桜(プロフ) - ネコマタさんのちょびひげさん» 本当は、神隠しが何よりも怖いものなのに、それを承知でやった所がとても彼女の成長を感じますね。 (2021年8月27日 21時) (レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冷泉 雪桜
| 作成日時：2021年8月16日 11時
