【刀剣乱舞】壱と出会う話４章 (ページ32)

今日:2 hit、昨日:8 hit、合計:41,335 hit

151pager ページ32

前々から赤神さんは
自分の事を”人らしくない“、
と言っていた。

それって、どう言う意味だろう。

『赤神さん』

赤神「ん？」

『赤神さんは、自分の事を”人らしくない“って
言ってますけど、それはどう言う意味でしょうか』

赤神「…………君にはどう見える？」

『………私は赤神さんがご自分で言うほど、
人らしくないとは思ってません。
寧ろ、何処が人らしくないのか
分からないくらい………』

赤神「そっか。そりゃどうもね」

バキッと、彼は硬い煎餅を食べながら
ケラケラ笑っていた。
それから一口お茶を啜って一息つく。
そして、しばらくの沈黙の後で
彼は口を開いた。

赤神「…………感情の一部が、分からないのさ」

『え？』

赤神「何だろうね。難しい質問だ。
政府で育った私は審神者になる事を
義務付けられていた身だ。
審神者をやっていく上で必要でない物………
それは自分の事。自分に興味ないしどうでもいい。
そう思ってる傾向があって………

だからこの本丸に来たばかりの時も
ちょっと無茶した時があってさ、
まんばちゃんとかにも叱られたんだけど、
何で叱られたのか全くわかんなかった」

『それは、心配したからじゃ………』

赤神「そう。彼らは”心配したから“と言った。
でも分からない。心配の意味とか、
今も正直分かってないんだ。
自分は審神者で、やらなければならない事、
やるべき事をやっただけなのに。
叱られた理由が分からない。

それから演練先で出会う審神者を眺めては
人間らしさを勉強した。
言ってしまえば、今の自分は
人間の真似事をしてるに過ぎないさ」

………そう言えば、赤神さんいつもカメラ持ってたな。
燭台切さんは赤神さんのカメラを
”あの変態が持つカメラは変態な事にしか使わない“
って言ってたけど………

もしかして、今彼が話した
”人間らしさを勉強する為“ではないだろうか。

『………赤神さんが持つカメラって、』

赤神「あれは私の趣味だよ」

『ｱｯ………はい』

赤神「ふふん。私が何で刀✕さにが好きか知ってる？」

『さあ………？』

赤神「見てて幸せになるからさ！！！」

『…………』

いや、多分私の考え過ぎだな。
そうだこの人そう言う趣味だった。