【刀剣乱舞】壱と出会う話４章 (ページ31)

今日:10 hit、昨日:8 hit、合計:41,301 hit

150pager　《感情》ページ31

･

赤神「そんな事があったのかぁ………
オルゴールねぇ。明石が持ってたオルゴール、
そんな骨董品だったんだ。

知らなかったなー」

赤神さんに明石さんやオルゴールの話を話してみた。
赤神さんは知らなかったようで、
感嘆とした声を上げながらそう言った。

………私は明石さんの記憶で、
赤神さんの姿を見た。
少し気になった。赤神さんはあの時、
どうして明石さんのいる本丸に居たのだろう。

『明石さんの記憶の断片に、赤神さんが居ました。
赤神さんはあの本丸を知ってたのですか？』

赤神「煎餅うま。ﾊﾞﾘﾊﾞﾘｯ………ん、
おお、知ってるふぉ。

何せ政府からの指示だったからね」

『政府の指示………？』

赤神「話してなかったね。
私は審神者をやってるけど、
裏では各本丸の調査も行ってる。

だから色々と融通が利くんだ」

『それって、』

赤神「”汚れ仕事“って奴さ。
政府もいけ好かないよねぇ。
ちゃっかりしてると言うかさー。

”出来損ない本丸“とか陰口を叩きながら
汚れ仕事を押し付けるんだぜ？」

『！出来損、ない………
あまり言いたくないんですけど
それはこの本丸に居る刀剣の誰しもが
どこかしら欠損があるから、とかですか』

赤神「………ま、そうだね。大まかに言ったら。
私も政府で育ったけど、欠品みたいな扱いを
されていたな。今更だけどね」

そんな理由で、赤神さんは。
出来損ない本丸だって…………？
政府は一体、何を考えてるの？

『………』

赤神「気にしなくていいよ。
此処はいろんな事情を抱えた刀剣達の
心の拠り所になってる。

その汚れ仕事をしてるおかげで、
ある程度自由が効けて、
刀剣達の望みをある程度は叶える事が
出来てるんだから」

『…………』

赤神「これは私のエゴだよ。
別に褒め称えてほしいとか、そんなんじゃない。
私は刀剣が好きだからね。

理由なんて、そんなものだ。
あ、煎餅食べる？」

『…………………頂きます』

赤神「でも本当に良かった。
私は普通の人間と違って、
人の心が分からない所がある。

彼らに寄り添って、支える存在が必要だった。
それを君はちゃんとこなしてる。
本当に良く出来た弟子だよ君は。
いつも、ありがとうね」

･