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赤神「………助けに来たんだよ。
政府に知り合いが居てね。
ここが燃えてるって聞いたから、
政府の役人が来る前に来たんだ。
急いでたんだけど、火災のせいで
電波が効かなくて転送が遅れた。
…………すまない」
明石「………た、すけ………です、か」
切国「！無理にしゃべるな」
明石「ｺﾞﾎｯ…………は、はは。
助、け………ぉ、かしな、話、や………
目の、前で………みー、んな……………
焼けま、した、………わ」
赤神「………」
明石「人、の体は…………不便、やな、ぁ。
こ、んな………刀の、欠片さ、え………
守れ、へん。な……ぁ…………？」
”助けるつもりがあったんやら“
”もっと、早く助けてくれても、“
”よかったとちゃいますか？“
赤神「！………それは……」
明石「ｹﾞﾎｯ、ｺﾞﾎｺﾞﾎｯ！
な、ぁ………？そ、うやろ………？
何で、です………？この子ら、が………
何したって、言うん、や………？なぁ……！」
明石さんは笑った。
泣きながら、笑っていた。
手にはオルゴールと、刀剣の破片が握られている。
涙がその二つに零れ落ちて行く。
明石「何でや………な、ん………で、です……？」
赤神「…………すまないな。
すまない。………すまない、明石………
何とか、止めようとしたんだ………すまない」
赤神さんが明石さんを抱きしめた。
謝罪の言葉を何度も呟きながら。
赤神「私は、同情の仕方も………
君の痛みも、悲しみも、分かってやれない。
私は人よりも感情に疎くてね。
すまない、君を救う言葉をかけてやれない……
こうして抱きしめてやる事しか、
私は知らないんだ。
許せ………」
オルゴールに涙が落ちてくる。
落ちるたびに痛む胸。
悲しい………かなしい……………
───────────────
『………ｯ、！』
夢から醒めた。
起き上がると自分が泣いていた事に気付く。
深入りし過ぎたか………思考が
あっちに引き込まれてしまっていたようだ。
すると視界に、光る何かが写った。
ゆっくりとそちらを向くと、
『……………オルゴール』
ｵﾙｺﾞｰﾙ《…………》
“半透明”のオルゴールが、
私の枕元で座っていた。
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作者名：冷泉 雪桜
| 作成日時：2021年2月27日 11時
