【刀剣乱舞】壱と出会う話４章 (ページ3)

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赤神「あー、あいつ墓作ってたの？
律儀だねー相変わらず。
ゴスッ!!>いってっ！？」

燭台「何呑気な事を言っているの？
信じられないんだけど。
誌重ちゃんに何かあったらどうするの。
彼女の師なら責任を取りなよ変態主」

赤神「こっっっわ。みっちゃんの真顔怖っ」

先程会った付喪神について、赤神さんに聞いてみた。
赤神さんはケラケラ笑っていたんだけど、
すかさず燭台切さんが脳天チョップを繰り出して
頭に瘤を作っていた。

太鼓鐘の件以来、燭台切さんを本丸に置いて行った
赤神さんを、彼は許していないようで、
いつにも増して手を出すのが多くなった。
(赤神さんはケロッてしてるけど)

赤神「あいつは”大千鳥十文字槍“だよ。
”ちどちゃん“とでも呼んでおけば大丈夫大丈夫」

『は、あ………。彼から話を聞いたんですけど、
その……”無差別に殺戮するバグ“って。
かなり、過激では』

赤神「あー、あれね。ヤバイよね笑笑」

『えぇ……っ？(本当なんだ)』

赤神「昼間はおとなしいから大丈夫だよ。
武具や本体は取り上げているから。
でも夜の顔はおっかねーから気をつけて」

『夜………？』

燭台「彼、夜の間………たまに意識がない時に
気がついたら暴れてしまうんだ。
その危険から政府から隔離されていたくらいね。
そこを主君が拾ったんだけど……」

赤神「本気で暴れられたら勝つ術ないから
こっちで力を削いでいるんだ。
それでも人間の体って工夫したら
生き物殺せちゃうからね。

首締めたり、圧死させたり」

………それは刀剣の付喪神にとって、
どれ程皮肉な事だろう。
だから”殺せない“………か。

赤神さんの方で力が削がれている大千鳥十文字槍。
彼はどんな気持ちで、あの猫の墓を掘ったのか。

赤神「………根は悪い奴じゃないんだ。
顔怖いし、そんなバグがあるから
近寄り難いのも分かる。

でもあいつはあいつなりに
一応ここに慣れようとしてくれている」

『…………分かってます』

赤神「ふふっ、弟子が君で良かったよ」

赤神さんはふわっと私の頭を撫でる。
その手は少し冷たかったが、
胸は温かいものに包まれた。