†佰伍拾† “呪縛” ページ31
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今剣「え？あかしとあいぜんですか？」
『はい。何か知りませんか？』
私は面影様の言う来派の刀剣、
明石様と愛染様について調べることにした。
私の後ろでは、蝶々と戯れる面影様がいる。
本人から直接聞いた方が早いのだが、
二振りについて聞いても、にっこり笑ってるだけで
答えてくれなかったからだ。
仕方ないので、こうして聞いて回っているのである。
すると、今剣様はてーんてーんと鞠をつく手を止めて
少し考え込む仕草を見せた。
何か知ってるのだろうか…………
岩融「どうした？今剣よ」
今剣「…………なんでもないです。
そうですね、ふたりを知ってます」
『！』
今剣「いまいるとうけんたちは、
たぶんわからないとおもいますが…………
きおくをつがれ、くりかえしおられた
ぼくたちたんとうしか、そのふたりをしりません」
そう言えばずっと疑問だったのだが、
刀剣達は記憶を奪われ、確かに洗脳されていた。
膝丸様の記憶から、それを知った。
けど短刀達は何故、記憶を奪われず
逆に記憶を継いで繰り返し折れたのだろうか。
そんな私の心中を察してくれたのか
今剣様は少し話すのを躊躇いながら、
おずおずと口を開く。
今剣「それも、せんのうのいっしゅです」
『洗脳の、一種？』
今剣「しってのとおり、
ぼくらたんとうはよわいものばかりです。
おられるのはとうぜんで…………
いぜんのさにわはつよさにしゅうちゃくしていたので、
ぼくたちたんとうに“じぶんはおられるさだめ”と
おしえこむために、きおくをつがせていました」
次に聞かされた言葉はあまりにも残酷なものだった。
他の刀剣達は“忘却の術”によって
忘れ去られてしまうのに、
短刀達だけは記憶を継いで“自分は折れる定め”と
教え込むなんて…………
これまで様々な刀剣達の記憶を見てきたが、
そこにいる短刀達は折られると分かっていても
悲痛な叫びをあげていた。
それがどれほど恐ろしいものか。
今剣「あるじさま？だいじょうぶですか？」
『…………ごめんよ』
今剣「…………あるじさまは、やさしいですね。
でも、ぼくらはもうだいじょうぶですよ。
あるじさまの、まもりがたなですから」
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冷泉 雪桜(プロフ) - tomo10260403さん» コメントどうもありがとうございます！薄桜鬼も読んでくださって……感謝でしかないですね！これからもよろしくお願いいたします (2019年9月17日 12時) (
レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
tomo10260403(プロフ) - 冷泉 雪桜さまの作る作品の虜になりました！薄桜鬼も刀剣乱舞も一気に読んでしまって、小説を読むのが苦手なほうなのですが、のめり込むようにするすると入ってくる文章に、夢中です！ (2019年9月16日 17時) (レス) id: f4aa91fff9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冷泉 雪桜
| 作成日時：2019年9月6日 1時
