【刀剣乱舞】その人間、縁を物理で結びます

†佰肆拾漆† ページ28

･






面影「【多分、俺が本霊だから】」






面影様はそう言って、何やら図を書き始めて、
説明してくれた。

…………とはいえ、その図は上手いとは言えないもので、
図からは全く理解は出来なかったが、
何となくは理解出来た。








面影「【本丸の仕組みは知ってる。
俺が見えてる時の政府って人が、
時間遡行軍と戦ってほしいって頼まれたから】」


『え？』


面影「【俺はまだ分霊されていない。
審神者は簡単に言えば刀剣達に体を与える力がある。
本丸にいる彼らは、審神者の霊力で姿を保ってる。
でも俺は違う。本霊でしかも一度焼失してるから、
見えていないんだと思う】」


『？？良く分からないけど、貴方は一度焼失していて、
本霊の付喪神とか、私のような特異体質
じゃないと見えないって事？』


面影「【平たく言えば】」









なるほど。その基準が良く分からない。
で、本題はそこではない。
彼は何故この異空間にあるはずの
本丸に来たのかと言う話だ。

そう伝えると忘れてたと
言わんばかりの呆けた顔になる面影様。
そして次に書かれていた単語は、
簡単な言葉なのに…………強い印象を受けた。








面影「【助けてほしい】」

『！』


面影「【俺は長い間、待っていた。
この本丸の審神者を探してた】」


『は、え？』


面影「【どうか身内を助けてほしい】」









待って、話が飛び過ぎて何言ってるか分からない。
面影様って口下手なのか。
説明に主語がなさすぎて何一つ理解できない。









『待って、言ってる意味が分からない。
順番に話してくれませんか。
身内とはどういう事ですか？

この本丸の審神者を待っていたと言うのは？』


面影「……………【ここに“蛍丸”がいるだろう？
悲しんでる。会いたがってる。
助けてやってくれ、俺じゃあ助けれない】」


『会いたがってる…………誰に？』


面影「【弟に】」









それから、すぅっと目を細める面影様。
次の言葉が決まっていたのか、
スケッチブックのページをそのまま開いた。









面影「【俺は来派、国行が一振り。

“明石国行”は…………俺の弟】」









･

†佰肆拾捌† “鏡の写した世界”→←†佰肆拾陸† “鏡刀の神”

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す