†伍拾弐† ページ13
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岩融「それに、我等は主に期待をしておる」
『期待？』
岩融「人はそれを希望とも呼ぶか。
皆、主が思っているより良く見ておるぞ？」
てん…………
と、その時、私の足元に鞠が転がってきた。
てててっと今剣様が私の目の前で足を止める。
赤い瞳がじっと私を見た。
伺うような、少し怯えているような。
そんな眼をして…………
私は足元に転がってきた鞠を取って、立ち上がる。
ゆっくり、ゆっくりと今剣様に近付いて、
彼の目の前に来ると膝をついて手渡してみる。
視線を合わせてみたが、
今剣様は中々手を伸ばしてはくれない。
少し悲しいが、置いて離れようとすると、
震える手をようやく伸ばしてくれた。
手が、触れあう…………
今剣「…………ありがとう、ございます」
『…………！』
今剣「おもったとおり“あるじさま”のては、
あたたかいですね。
あるじさまのて、すきですよ」
触れた瞬間に、流れ出る霊力。
力が抜ける変わりに、伝わる思い。
そしてゆっくりと彼の体に刻まれていたアザが、
薄くなって行った。
…………そうだね、まだ私は弱音を吐くのは早い。
私も好きだよ。君達の優しさが。
暖かいのも、優しさも。
Aside〜end〜
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今剣side
五虎「ごめん、なさい…………ごめんなさいっ
弱くて、ごめんなさい…………っ！！」
つぎつぎと、なかまがおられていくすがたをみるのは、
やっぱりなれない。たえられない。
つぎはだれがおられるのですか？
つぎは、ぼくなのかな…………
乱「…………ねぇ、折られた時の記憶、覚えてる？」
今剣「……………なんかいもおられてますから、
かえっておぼえてないですよ」
乱「だよ、ね…………」
おられるしゅんかんは、いつもいつもいたい。
そのいたみは、きずだけじゃなくて…………
いっしょにおられていくなかまをみたり、
みられたり…………さいごにみるけしきが、とてもいたい。
どうしてぼくらにはこころが
やどってしまったんだろう。
こころなんてなかったら、
こんなにくるしくならないのに。
しらなかったほうがよかったのに。
よしつねこうも、なかまも…………
なにもまもれないまもりがたななんて。
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冷泉 雪桜(プロフ) - ブドウ農家の一人っ子さん» 薄桜鬼からすっとんで来てくれてありがとうございます！薄桜鬼の方がネタ切れになって中々進めれる事が出来ませんが、これからもよろしくお願いします！ (2019年8月28日 12時) (
レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
ブドウ農家の一人っ子 - 薄桜鬼のほうからとんできて一気読みしました・・・冷泉さんの作品は控えめに言ってどれも神ですね(語彙力の喪失) これからも応援しています！！ (2019年8月27日 20時) (レス) id: 70ec3f117a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冷泉 雪桜
| 作成日時：2019年8月20日 1時
