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+参佰伍拾漆+ ページ37









『……………』






山野はしばらくの間、黙っていた。
意外な表情を浮かべたまま、そのまま動きを止めていたが、
やがて頭を下げてその表情は分からなくなっちまった。








原田「?………山野?」


『………お気遣い、ありがとうございます。
でも、まだ…………自分の気持ちの余裕がありません。
整理できてないんです………

だから……………今は、まだ………』









“何も、聞かないで”









そう、言われたような気がした。

山野に何があったのか、
何故そこまで思い詰めてるのか……………

俺は分からねぇ。


だが、今は時間が必要だと言う事は分かった。
俺にはこいつから事情を問う権利はねぇ。

急ぎすぎたか……………


俺は山野から距離をとる事にした。


山野を縛る何かはそう簡単には溶けないようだ。
俺達と山野の間にはあまりにも
分厚い壁があるような気がした。



だが……………山野の力になりたい。
それは俺の本心だ。

こいつは女だ。まだ小さい。
俺達が背負って目指す道はこいつにとって
険しい道のりだ。


俺は、俺に出来る事を…………









原田「……………そうか。
悪かったな。無理強いを押し付けて。

でも本当に何かあったら、俺に言えよ?」


『……………は、い』


原田「よし」








小さく返事を返した山野の頭を撫でてやる。
そしたら少し驚いたような、拍子抜けたような
表情で彼女は顔をあげた。






『あ、の…………』


原田「どうしようもない時は誰だってある。
こうした方が、落ち着くだろ?

それと同じだ。お前は全部を背負いすぎ何だよ。
ゆっくりでいいさ」









これぐらいしかしてやれねぇが、
少しでもお前の気を晴らすことが出来ればいい。

いつか、話して欲しい。


俺はもっと、お前を知りたいんだ。









原田side〜end〜

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冷泉 雪桜(プロフ) - ひゃくまるさん» コメントありがとうございす!そうですね。いつか書けたらいいなと思います。これからもよろしくお願いしますね! (2018年12月26日 15時) (レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
ひゃくまる(プロフ) - これから山野さんがどんな風に成長していくか楽しみです!作品を読んでて思ったことが山野さんは辛いこととか抱え込んでしまうキャラなのでいつか誰かを頼れるようになるといいですね(*´-`) (2018年12月26日 1時) (レス) id: 057beedb8c (このIDを非表示/違反報告)
なや(プロフ) - 返信ありがとうございます!これからも楽しみにしております(´∀`*) (2018年12月2日 21時) (レス) id: 47f47e69bf (このIDを非表示/違反報告)
冷泉 雪桜(プロフ) - なやさん» なやさんとこの小説を結びつけてくれたのも新選組が紡いでくれた縁だと思います。更新が遅い日々が続いてしまいますがこれからもよろしくお願いします(*´-`) (2018年12月1日 23時) (レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
冷泉 雪桜(プロフ) - なやさん» なやさんコメントありがとうございます!私はただ誰かと共感したくて自己満で書いただけですが、なやさんのような人に読んでもらえるなんて私としても嬉しく思います。 (2018年12月1日 23時) (レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:冷泉 雪桜 | 作成日時:2018年7月10日 16時

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