+参佰肆拾伍+ ページ25
隊士達が出陣した後の屯所は
一気に静まり返っていた。
いつもだったら稽古の際の声や
木刀が打ち合う音など、どこかしらと話し声を聞くのだが
今日はその日常が嘘のように静かだった。
今頃、皆はどうしているのだろうか。
御所の戦況はどうなっているのだろうか。
そう思っても屯所にいては確かめる術もないが。
『………(正門はあんなに暑かったのに)』
稽古を終わらせた後、俺は八木邸で書類を
整理していた尾形さんのやりかけを手伝いの為に残っていた。
一段落ついた所で、休憩がてら俺は普段
あまり見ることのない八木邸を散策していたのだが、
廊下に出てみると涼しく感じて、
皆を見送った時と同様、空を見た。
さっき見た空とは少し違って、
涼やかな雲がゆっくりと流れている。
しばらくぼんやりと眺めていると、
人の気配を感じて俺は中庭に視線を落とした。
『？沖田、さん……？』
沖田「…………」
そこには木の根元に腰を降ろし、
木陰で休む沖田さんがいた。
彼の流れるような目は閉じられていて、
いつも見る鶯色の瞳は見れなかった。
寝て………いる？
俺は先程の彼の言葉を思い出す。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
沖田「ま、今回は諦めようかな。
まだ本調子じゃないしね………」
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
…………本調子じゃないのなら、
あまり外に長居しない方がいいような気がする。
少し気になって、俺は縁側から中庭にはいる。
少しづつ、少しづつ…………
俺は彼に近づいてみるけれど、未だに彼の瞳は閉じられたまま。
沖田さんならすぐに気配でわかる筈だけれど、
あまりにも動く気配を感じれないので、少し心配になった。
ゆっくり呼吸する息だけが、
彼の安否が分かる救いだった。
そして俺は沖田さんの腹部に巻かれている晒しを見る。
傷は治った訳じゃない。
その晒し姿が痛々しく感じた。
その時だった。
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冷泉 雪桜(プロフ) - ひゃくまるさん» コメントありがとうございす！そうですね。いつか書けたらいいなと思います。これからもよろしくお願いしますね！ (2018年12月26日 15時) (
レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
ひゃくまる(プロフ) - これから山野さんがどんな風に成長していくか楽しみです！作品を読んでて思ったことが山野さんは辛いこととか抱え込んでしまうキャラなのでいつか誰かを頼れるようになるといいですね(*´-`) (2018年12月26日 1時) (レス) id: 057beedb8c (このIDを非表示/違反報告)
なや(プロフ) - 返信ありがとうございます！これからも楽しみにしております(´∀｀*) (2018年12月2日 21時) (レス) id: 47f47e69bf (このIDを非表示/違反報告)
冷泉 雪桜(プロフ) - なやさん» なやさんとこの小説を結びつけてくれたのも新選組が紡いでくれた縁だと思います。更新が遅い日々が続いてしまいますがこれからもよろしくお願いします(*´-`) (2018年12月1日 23時) (レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
冷泉 雪桜(プロフ) - なやさん» なやさんコメントありがとうございます！私はただ誰かと共感したくて自己満で書いただけですが、なやさんのような人に読んでもらえるなんて私としても嬉しく思います。 (2018年12月1日 23時) (レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冷泉 雪桜
| 作成日時：2018年7月10日 16時
