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+参佰肆拾+ ページ20

新田side








俺は柱にもたれたまま、月を見る。
静かだな………何も聞こえない。


でも、妙に暖かく感じた。





後悔ばかりの人生だったが、
同時に悪くねぇ人生だった。





ここに来て少しでも、自分の存在に気づけた。

自分の価値を見いだせた。





安ちゃん………感謝してるよ。

俺はやっと、自分に気づけた。





どうしようもねぇ俺を、
この新選組が………変えてくれた。



姉貴に会えなかったのは残念だったが……………









新田「(本当に、悪くねぇ人生だった………)」









その瞬間、俺の手から猪口が滑り落ちて、
カラン………と酒を溢しながら床に落ちちまった。


あーあ………もったいねぇな………







新田side〜end〜
_________________

not,side









山野が離れた時間は、
僅かな……本当に僅かな時間だった。

山野は“一人”──その光景を眺めていた。









『……………馬鹿が……
折角人が準備してやった酒を

一口も飲まずに逝くか………普通………』








そして、縁側の床にパタパタと
誰かの雫が落ちてきた。

雫は床にシミを作りながら、
後から後から降り注いだ。









『律儀に、酒を飲むなって言った言葉を守るな………
せめて、一口飲んでから逝け………』









静かな静かな夜。
月の光がが優しく包まれる空間の中で
後悔しながら、優しく微笑みながら………
新田は息を引き取った。





文月、二十二日の事だった。







not,side〜end〜

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冷泉 雪桜(プロフ) - ひゃくまるさん» コメントありがとうございす!そうですね。いつか書けたらいいなと思います。これからもよろしくお願いしますね! (2018年12月26日 15時) (レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
ひゃくまる(プロフ) - これから山野さんがどんな風に成長していくか楽しみです!作品を読んでて思ったことが山野さんは辛いこととか抱え込んでしまうキャラなのでいつか誰かを頼れるようになるといいですね(*´-`) (2018年12月26日 1時) (レス) id: 057beedb8c (このIDを非表示/違反報告)
なや(プロフ) - 返信ありがとうございます!これからも楽しみにしております(´∀`*) (2018年12月2日 21時) (レス) id: 47f47e69bf (このIDを非表示/違反報告)
冷泉 雪桜(プロフ) - なやさん» なやさんとこの小説を結びつけてくれたのも新選組が紡いでくれた縁だと思います。更新が遅い日々が続いてしまいますがこれからもよろしくお願いします(*´-`) (2018年12月1日 23時) (レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
冷泉 雪桜(プロフ) - なやさん» なやさんコメントありがとうございます!私はただ誰かと共感したくて自己満で書いただけですが、なやさんのような人に読んでもらえるなんて私としても嬉しく思います。 (2018年12月1日 23時) (レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:冷泉 雪桜 | 作成日時:2018年7月10日 16時

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