+参佰参拾参+ ページ13
千鶴side
安藤「…………」
千鶴《安藤さん、具合はいかがですか？》
安藤「……………」
私は今、壬生寺にいる。
理由は池田屋での一件で、重傷を負った
安藤さんと新田さんの看病のため。
私から願い出て、日々お二人の看病の毎日を送っていた。
池田屋事件からは伝令の役を果たした事もあって
監視つきではあるけれど、前よりも動けるようになって、
小さな仕事もやらせてもらうことも増えてきた。
それは、ありがたいことだけれど………
二人の容態はまだ芳しい。
得に安藤さんは声に出すことも難しい。
調子がいいときは目を開けてこちらを見て頷いたりしてくれる。
でも、それはごく稀な事で、大抵は眠ったまま。
苦しそうに顔を歪める事が多い。
安藤「、………」
千鶴《(今日は少し調子がいいみたい。目が開いてる)
おはようございます、安藤さん》
安藤「………ｯ」
千鶴《無理はしないでください。
そのままで大丈夫ですよ。疲れてしまいますから》
安藤「……………」
安藤さんは少し申し訳なさそうに頷いてくれた。
嗚呼、この人はまだ生きている。
生きようとしている。
こんなことを言うのは変だけど、
安藤さんが頷いてくれた事がなによりも嬉しく感じた。
まだ彼がそこにいることが、いてくれてることが
嬉しくて私は口を緩めた。
その時、布団が擦れる音がして、
安藤さんの隣にある布団を見た。
そこには新田さんがいて、彼はゆっくりと目を開ける。
新田「……………あ、れ？雪ちゃん、か？」
千鶴《あ、新田さんも、おはようございます。
具合の方はどうですか？》
新田「あー…………」
新田さんは自分の手を重そうに持ち上げて
開いたり閉じたりして少し驚いたような表情になった。
その後新田さんは少し笑って見せた。
新田「…………嗚呼、今日は……………
びびっちまうくらい、調子がいい………な」
千鶴《！そうですか………！良かった………》
今日はいい日……………
お二人共、今日は調子がいいみたい。
その事実がまた嬉しくて、私は再び手を動かした。
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冷泉 雪桜(プロフ) - ひゃくまるさん» コメントありがとうございす！そうですね。いつか書けたらいいなと思います。これからもよろしくお願いしますね！ (2018年12月26日 15時) (
レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
ひゃくまる(プロフ) - これから山野さんがどんな風に成長していくか楽しみです！作品を読んでて思ったことが山野さんは辛いこととか抱え込んでしまうキャラなのでいつか誰かを頼れるようになるといいですね(*´-`) (2018年12月26日 1時) (レス) id: 057beedb8c (このIDを非表示/違反報告)
なや(プロフ) - 返信ありがとうございます！これからも楽しみにしております(´∀｀*) (2018年12月2日 21時) (レス) id: 47f47e69bf (このIDを非表示/違反報告)
冷泉 雪桜(プロフ) - なやさん» なやさんとこの小説を結びつけてくれたのも新選組が紡いでくれた縁だと思います。更新が遅い日々が続いてしまいますがこれからもよろしくお願いします(*´-`) (2018年12月1日 23時) (レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
冷泉 雪桜(プロフ) - なやさん» なやさんコメントありがとうございます！私はただ誰かと共感したくて自己満で書いただけですが、なやさんのような人に読んでもらえるなんて私としても嬉しく思います。 (2018年12月1日 23時) (レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冷泉 雪桜
| 作成日時：2018年7月10日 16時
