†弐拾肆† ページ27
･
『…………ん？』
その時、真っ二つに折れている中で
一振りだけ折れていない、輝きが違う刀があった。
見た目は他の刀とは変わりない。
でも、他の刀と比べて、刀身がボロボロだった。
それに不思議だ…………どんな刀より刃こぼれも酷いのに、
まるでまだ生きているような輝きを見せている。
美しい、刀だった。
『(まだ…………“いる”………ここに)』
燭台「！待って、その一振りは…………！」
私は思わず、手を伸ばした。
その時燭台切様が私を止めようとした声が聞こえた。
でも、私は引き込まれるように、
その刀身に…………触れてしまった。
ドクッ！！
『…………ぇ？』
何かが、流れ込んできていた。
途端に体が金縛りのように動かなくなって、
目の前が真っ暗になった。
何かが渦巻いていた。
どろどろとした感情が流れてきている。
…………悲しい。酷く悲しい。
痛い、痛い…………
貴方は、誰？
“すまない…………”
乱「主さんっ！？しっかりして！」
燭台「ｯ…………僕が運ぶから、布団を用意して！」
前田「分かりましたっ！」
薬研「だから、大人しく待てって…………言ったんだ」
五虎「主さま！」
意識が薄れていく。
どんどんと体が重くなっていく。
薬研様達の声が徐々に聞こえなくなって、
最後にはプツリと意識を失った。
“主…………すまない…………”
“すまなかった…………”
誰かの声と共に、私の意識は闇へと飲まれた。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
??「桜が綺麗よ、一緒に見ましょ！」
“主…………あんまり走ると、転ぶぞ”
??「平気だよ、全く…………貴方は過保護だね」
“あんたが色々と抜けてるからだろ”
誰かの声がする。あの、悲しい声の持ち主と、
私の目の前には桜並木の中で巫女姿の誰かが、
私の手を引いて、走ってる。
…………これは、あの声の主の目線。記憶だ。
さっきとは違って、声の持ち主は楽しそうだった。
桜並木の下で彼女の後ろを歩く、
この記憶の持ち主は呆れながらも楽しげで。
彼の目線から見ていた私も、
幸せな気持ちに成るほどに。
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冷泉 雪桜(プロフ) - ニコさん» ですが分かりにくい文章で表現してしまったので、訂正しておきますね (2020年3月30日 8時) (
レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
冷泉 雪桜(プロフ) - ニコさん» コメントありがとうございます。設定では主人公は“刀剣”をよく知らないと言う設定で通っています。この時点では夢主は“太刀”と“打刀”の違いが分かっていなくて、政府の説明もいまいち理解していない頃です。ご指摘ありがとうございます (2020年3月30日 8時) (レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
ニコ(プロフ) - はじめまして、このお話を読んでて気になったんですが、みっちゃんは打刀ではなく太刀なのでは？ (2020年3月30日 8時) (レス) id: 4b4e0cfc72 (このIDを非表示/違反報告)
さら - はじめまして！！このお話大好きです！！いつも更新してくれてありがとう！！続きも楽しみにしてます！！ (2019年10月27日 16時) (レス) id: 8178d9f7d8 (このIDを非表示/違反報告)
冷泉 雪桜(プロフ) - 水神の狐さん» コメントしていただきありがとうございます。これからもよろしくお願いいたします (2019年8月15日 16時) (レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冷泉 雪桜
| 作成日時：2019年8月11日 21時
