†拾参† ページ16
五虎退side
怖い…………
五虎「あ、主さま………ゆる、してくだ……！
あう………！」
“何故お前は弱いんだ？”
“俺に逆らうつもりか？”
“何故言う事が出来ない？”
どうして主さまは変わってしまったんだろう。
なによりも大切な人で、誰よりも敬愛していたのに。
僕達はどこで間違えてしまったんだろう。
僕に優しさを教えてくれた主さま。
どうして？どうしてこんなことに。
僕が弱いから？弱い、守り刀だから？
僕はどうしたら良かったんだろう。
秋田「待ってください主君！
五虎退は何もしてません…………僕が！」
五虎「あ、き…………」
秋田「罰なら僕が受けます、だから折らないで！
五虎退を、もう折らないでくだ、さい………！」
僕は記憶を持ったまま、何度も折られた。
僕がこの本丸の中で、一番弱かったから。
顕現させる度に主さまはがっかりして…………
何度も折られた。
でも、その時は秋田が僕を庇って。
“ならば、今回はお前だ”
秋田「…………ぇ？」
五虎「ｯ！？秋田！」
秋田「五虎、た…………」
バキンッ…………！！
始めて、僕は目の前で兄弟を折られた。
僕はいつも最初に折られていたから、知らなかった。
目の前で折られる事がどんなに辛いのか。
悲しいのか…………怖いのか。
僕が弱かったから……………………
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
『そう、辛かっただろうに。
でも君は凄いね、強い子だ。
一瞬しか見えなかったけど、
君の背中の傷は小虎を抱えて守ってたんだね』
“優しいね”
“強いね、君は”
いいえ、僕は強くありません。
守れなかった、いつも僕は誰かに守られてばかりで。
弱くて、弱くて…………何もできなくて。
“君は人の身を受け、
自分で考えて、自分で行動が出来る。
君は人が嫌かもしれないけれど、
君達はもう自由なんだよ？”
でも…………この人は僕に勇気をくれた。
優しさをくれた。
側にいるだけで、暖かくなって、
優しい手で撫でてくれた新しい主さま。
この人と一緒にいたい。
だから僕は、もう一度…………
大好きだった人を、信じたい。
僕だって、粟田口の守り刀。
いつもいち兄や兄弟たち、
本丸の皆に守られて来たけれど、
僕にだって守れるものはあるはずだから。
五虎退side〜end〜
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冷泉 雪桜(プロフ) - ニコさん» ですが分かりにくい文章で表現してしまったので、訂正しておきますね (2020年3月30日 8時) (
レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
冷泉 雪桜(プロフ) - ニコさん» コメントありがとうございます。設定では主人公は“刀剣”をよく知らないと言う設定で通っています。この時点では夢主は“太刀”と“打刀”の違いが分かっていなくて、政府の説明もいまいち理解していない頃です。ご指摘ありがとうございます (2020年3月30日 8時) (レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
ニコ(プロフ) - はじめまして、このお話を読んでて気になったんですが、みっちゃんは打刀ではなく太刀なのでは？ (2020年3月30日 8時) (レス) id: 4b4e0cfc72 (このIDを非表示/違反報告)
さら - はじめまして！！このお話大好きです！！いつも更新してくれてありがとう！！続きも楽しみにしてます！！ (2019年10月27日 16時) (レス) id: 8178d9f7d8 (このIDを非表示/違反報告)
冷泉 雪桜(プロフ) - 水神の狐さん» コメントしていただきありがとうございます。これからもよろしくお願いいたします (2019年8月15日 16時) (レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冷泉 雪桜
| 作成日時：2019年8月11日 21時
