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†漆佰肆拾玖† ページ10









??「彼女はここには居ないよ」







そんな時、まさに鶴の一声が広間に響いた。
落ち着いた声音のその言葉に、
声の主へと全員が振り向いた。

そこにいたのは監査官である山姥切長義。
腕を組み、まるで見定めするような瞳。
物吉はハッとし、口を開いた。








物吉「長義さん………!どうしてここに……

お帰りになったんじゃ……
!そ、そう言えば主様が居なくなる直前まで、
一緒に居ましたよね?

どこへ行ったか知りませんか!?」



長義「資料を取りに行っただけだが………
待つように言ったと言うのに
あの人間はもうここを去ったのか。

まあ好都合か………」


燭台「何を、言っているの?」

長義「こっちの話さ」









そう言って長義はひらひらと手を振りながら
広間へ足を踏み入れた。

………が、その足は強制的に踏み留まる。
長義の首筋に、刃が突きつけられていたからである。
全員が騒然とする中、一部の刀剣男士は
鋭く長義を睨みつける。









肥前「お前、何しに来た」


長義「………肥前、いきなり突きつける何て
随分と物騒な歓迎だね?」


肥前「は?見え透いた嘘つくな。うぜぇ。
テメェは“長義”じゃないだろうが」


長義「………」


南海「どう言うつもりかな?
かつては仲間だったとはいえ、
今の僕と肥前はこの本丸の刀剣だ。

主を何処にやったのかね?」









それはかつて政府直属の刀剣男士であった
肥前忠宏、南海太郎朝尊である。

そして付け加えて、長義の正面まで
やって来た一つの影。


日向正宗であった。









日向「どうして………」

長義「日向君か、久しいね。元気にしていたかい?」

日向「どうして貴方が………」









日向がギリギリと拳を作り、
長義を見上げ、睨んだ。









日向「貴方って人は………本当に変わってないね。
どう言うつもりなの?“兄さん”!!」




長義「…………ニタァあーあ、
結構上手いこと化けていたつもりなんだけどなァ?」









長義はふとに不敵に笑った。
ニタリと口を弧に描いて、不気味に笑う。

そして長義だった者は桜吹雪に包まれ、
やがて本来の姿へと戻る。


それは京極正宗であった………

†漆佰伍拾†→←†漆佰肆拾捌†



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(プロフ) - 鶴さんが健気…どうか報われますように (2020年4月12日 14時) (レス) id: e2c5fada44 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:冷泉 雪桜 | 作成日時:2020年3月31日 14時

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