【刀剣乱舞】その縁、巡りゆく定め (ページ7)

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†漆佰肆拾陸† ページ7

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物吉「申し訳ありません！
僕が着いていながら…………」

亀甲「君のせいではないよ、物吉」

物吉「兄さん、ですが……」

陸奥「居たかえ？」

蜂須「ﾌﾙﾌﾙ)………駄目だ、どこにも居ない」

鯰尾「こっちも居ませんでした」

陸奥「ほうか………参ったのぅ」

骨喰「主は、どこに行ったんだ………？」

ぞろぞろとやがて多くの刀剣が
大広間へ戻ってくる。

どの刀剣も険しい表情のまま、
これ程の刀剣が揃ったと言うのに
シン……と静まり返る。

そして………行き着いた思考は、
やがて彼らの頭を支配していく。

今剣「…………」

岩融「今剣、どうした？」

今剣「……た………」

北谷「今剣？」

今剣「ま、た……す、てら………れ」

岩融「！！」

今剣「どう、しましょ、ぅ………いわ、とおし。
あるじ、さまに………みすて、られていた、ら」

口を開いたのは今剣だった。
計り知れない不安と恐怖が小さな体を
カタカタと震わせる。

ホロホロと涙を流し、顔を真っ青にしていた。

今剣「や、だ………いや、です……や、だぁ……！」

岩融「今剣、しっかり気を持て！！」

膝丸「ｯ………！(これは、まずい………！)」

一期「？乱……？」

薬研「乱、どうした？」

乱「や、やだ………」

一期「！！乱、大丈夫かい！？」

乱「やめ、止めて！いち兄っ長谷部さんっ！
折らないでっ！折らないでっ！！」

一期「えっ………」

薬研「ｯ……！(まさか、)

前田、前田は！？」

前田「五虎、退は………ま、守らなけ、れば………
こ、今度は………今度こ、そ………

五虎退、を、折らせ……な………」

薬研「前田！！しっかりしろ前田！！
五虎退は折れない！俺も皆も！
終わった事だ、大将はお前らを捨ててねぇ！！

目ぇ覚ませ！！」

どろどろと、その不安や恐怖は
彼らの思考を支配し、
ありもしない幻覚を見始める。

主が居ない恐怖。それが元に前任から受けた
見えない傷をえぐる。

九重の力により淀んでいた本丸は
清き物へと変わった筈だった。

しかし、不安による負の感情から
本丸は一気に風化を始めたように
キシキシ………と空間が闇によって少しずつ歪んだ。