【刀剣乱舞】その縁、巡りゆく定め (ページ35)

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†漆佰漆拾肆† ページ35

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ﾂﾑｸﾞ「そ、んな………何故………」

見つけてしまった。
裏の丘で見たのは、桜の大木の
根本に座り込む一柱の神。

大木の周辺は血にまみれており、
目の前にいるこの神もまた、血だらけになっていた。

ﾂﾑｸﾞ「一体何が………」

??「………ツムグ、か？」

ﾂﾑｸﾞ「何があったんです！？
それに、その血は………夜蝶は？紅羽はっ！？」

彼の瞳は虚ろで、光がない。
弱って、いる？

彼は確か夜蝶の初期刀、だったか。
夜蝶とも面識があった俺は
度々見かけていた夜蝶の傍にいた
神であった事を思い出す。

その時、その神は膝の上に乗せていた
血に染まった布でくるまれている
“何か”を俺に渡してきた。

??「………丁度、良い………こいつを、
供養して、やってくれない、か。

俺、では………人間の供養の仕方は、分からない」

ﾂﾑｸﾞ「な、」

くるまれていたのは………夜蝶。
死んでいるのは明らかだった。

だが、何故だろうか。
至極穏やかで、安らいだ表情だった。
こんなにも幸せそうに微笑む遺体は、
見たこともないし、知らない。

??「俺が、殺した………約束、だったから、な」

ﾂﾑｸﾞ「貴方は………」

“最期まで、我が儘な主だった”

そう言って、その神は………泣いた。
そして彼は………力を使い果たしたように、
そのまま刀に戻ってしまう。

………顕現が、解かれたようだった。

ﾂﾑｸﾞ「夜蝶………夜蝶っ！
君は、子供を産むんじゃなかったのか………？
君も、幸せを、失わせてしまったのかっ」

生きていてほしい。

ただ、そう願っていた。
それは誰しもが願っている事だ。
その願いを、簡単に打ち砕かれてしまった。

幸せの欠片を、集めても集めても、
粉々に砕かれてしまう。
こんな、こんな事って…………

あんまり、じゃないか………！！

ﾂﾑｸﾞ「うわ、あ、あぁぁああぁぁああああっ！！」

神様………神様……………

………嗚呼そうだった。

神様は、助けて“は”………くれない存在だった。