【刀剣乱舞】その縁、巡りゆく定め (ページ34)

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†漆佰漆拾参† ページ34

本丸は………血に、染まっていた。
憎悪、怒り、悲しみ、恨み。

それらが血で表すかのように、
本丸中の部屋がそうなっていて………

刀剣男士達は倒れていたり、
刀の姿に戻っていたり、時には折れた刀身もあった。

………何故だ？何故愛していた者が、
いつも目の前で、俺は失うのだろう。

ﾂﾑｸﾞ「ぁ、あ、あぁ…………」

??「…………助、け……」

ﾂﾑｸﾞ「………！ｯ………だ、い……丈夫、ですか？」

??「ぅ………」

その中の一振りが、
息を絶え絶えになりながらも声を上げた。
俺は、発狂しそうなりながらも、
震える声を振り絞り、ようやく体を動かして、
その一柱の小さな神に近づいて、抱き上げた。

桜色の髪と、空色の瞳を持った子供の姿をした神。
彼に霊力を送ろうかと思ったが、
俺の霊力は弾かれてしまった。
………審神者でなければ、霊力は送れないのか。

すると小さな神は、小さな手を伸ばし、
泣きながら俺の胸あたりの服を掴む。

??「助け、て………く、だ……」

ﾂﾑｸﾞ「！！助けます、必ず助けます！
だからしっかり！」

??「ち、が………主、君……を、助け………」

ﾂﾑｸﾞ「え……」

??「あぁ………僕、に、羽根があれば………
主君の、お傍に………主君、の……
ところに、戻れる、の………に……」

バキンッ！！

ﾂﾑｸﾞ「あ、ああっ！！」

目の前で、その神様は折れてしまった。
残されたのは彼だったであろう小さな刀身。

何で、どうして。
折れる際の音が………朱鷺が、夜蝶が
紡いでいたモノが、崩れる音のようで………

酷く、俺の胸を貫いた。

探さなければ、探さなければ。
どんな形であっても………

朱鷺の式が何故、俺の所までやって来たのか。
助けを求めていたからだ。
朱鷺からは一度だって俺に
助けを求める事はしなかった。

なら、俺が行かなければ。
俺が見つけてやらなければ………

どうしてこうなってしまったのだろうか。
どうしてどうして…………

俺が愛しているモノは、壊れてしまうのだろうか。

そんな事を思いながら、俺は探し回った。

そして見つける。
その光景を、今でも忘れない。