†陸佰陸拾陸† “小さな訪問者” ページ8
･
??《あーぅ》
燭台「………ちょ、主？」
『………ええっと』
やっぱり心配だから、とりあえず僕は
長谷部君と一緒に主の部屋まで
やって来たんだけど………
そこに居たのは小さな子供がいて………
乱「主さん、の、隠し子？」
『全力で否定するし、私まだ一応二十歳じゃないし、
そもそも！いきなり見た目二歳児を
産んだりしませんよっ！』
乱君と前田君が、口元を抑えて驚いている横で
主が全否定する光景。
ビックリした………あの子が憑いた妖怪かな。
見た目はブカブカの和服を着た普通の子供。
青みを帯びた、ちょっと髪がバサバサの黒髪。
瞳は金色。貞ちゃんがもっと小さくなって、
大人しい感じ、と言ったら分るだろうか。
小夜「主、危ないよ………」
長谷「九重。どう言う事だ」
『ああ、いや。朝気づいたら、側にいて………』
??《ぁあーふぁー、ふぅう》
長谷「突き出す」
前田「お待ちください長谷部さんっ！」
燭台「あー！長谷部君落ち着いてっ！」
乱「長谷部さん、
小さい子をいじめないでー！」
長谷「紛れもなくその子供が纏うものは妖気だぞ」
燭台「す、ステイステイ！
だからって可愛そうだよ！」
『おお、落ち着いてっ！この子は確かに
妖怪ではありますが、無害の妖怪なんですっ』
───────────────
「「「さとり？」」」
『そう。この子は“
妖気が強いですが臆病な妖怪で、
人には危害は与えません。
人の心を読む力があります。
多分、この子は覚の幼子かと』
覚《あー！あぅあー！んふふー♪》
そう紹介された子供は、ニコニコと笑って
小さな手を叩いて笑っていた。
確かによく見たら顔には赤い化粧が
所々あって、耳が尖っている。
でもどことなく主に似てる。
『今説明した内容は、各地で知られる民話の話です。
サトリと言う妖怪は力が弱くて臆病で、
身を守るために、生まれて直ぐに
目についた物を真似て姿を隠します。
たまたま目についたのが私だったんでしょう』
小夜「！昨日、裏山に行った、から？」
『恐らく。まあ、放っておいても良いでしょう。
ある程度真似た物に扮して身を守り、
巣立ちの時期になればまた違う姿となって
自ら離れます。
巣立つまでは置いてあげてください』
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冷泉 雪桜(プロフ) - 雨宮@たふるさん» コメントありがとうございます。これからもよろしくお願いします (2020年3月12日 13時) (
レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
雨宮@たふる - いつも楽しく読ませてもらっています。続編おめでとうございます。たまに来る燭さに、にきゅんとしてます！これからも頑張ってください。応援してます。 (2020年3月7日 15時) (レス) id: 3cde28d88e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冷泉 雪桜
| 作成日時：2020年3月5日 19時
