†陸佰捌拾陸† ページ28
燭台切side
燭台「はい水、飲める？」
『あ、ありがとう、ございます』
ここは平成の時代。
目の前には当時の主がいる。
息が荒い。まあさっきまであんなのに
追いかけられたんだから仕方ないけど。
僕は彼女にペットボトルを手渡すと、
彼女は少し躊躇いながらも水を飲んでくれた。
『助けてくれて、ありがとうございました』
燭台「うん、怪我がなくて良かったよ」
『………それで、貴方は一体？
アレが、見えるんですか？』
燭台「僕は人じゃないんだ。
日本刀の付喪神。燭台切光忠だよ」
『！…………そ、う。人じゃないんです、ね』
燭台「…………」
彼女は少し残念そうに目を伏せた。
………嗚呼、成る程。
ちょっと………悪いことしちゃった、な。
燭台「(皆、無事かな………)」
──────────────────
数日前、本丸
「「「平成での任務？」」」
薬研「って、いきなりだな。
何でそんな話になったんだ？大将………」
数日前、僕らに新たな任務が来た。
内容は平成での任務で、
まだ審神者になる前の………
僕らとまだ出会っていない主の護衛らしい。
今主は19歳だけど、それより7年前の主。
つまり12歳の主を一週間守り通すと
言う事ものだった。
でもどうして今になって、なぜ？
平成の主を、しかも12歳の主をたった一週間？
こん《平成の世の時代は、
歴史をあるべき姿に戻していく力、
“時間抑制力”が最も強い時代。
確かに比較的に時間溯行軍も
あまり手出しが出来ない時代です。
しかし何らかの不具合により、
僅かな時間の流れが乱れてしまいました。
それがこれより行く“歪められた世界線”であります》
結織「最近、登録されていたはずの審神者が
突如として存在が消えてしまったり、
審神者の突然死が増えているんです。
恐らく、僅かに歪められた時空を遡行軍が回潜って
“審神者になるはずだった人間”が
殺されてしまったものによるものと推測されてます」
長義「つまり、その時代の審神者を遡行軍は
狙って殺しにかかっていると言う事だ」
その言葉に、僕は背筋が凍るような感覚を覚えた。
今、僕らの傍にいる主が“いない”とされる
と言う事と同じ事………
そうなったら、僕らもきっと
主の事を忘れてしまうかもしれない。
下手をしたら僕ら自体が“なかった事”になる。
主を、死なせると言う事だ。
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冷泉 雪桜(プロフ) - 雨宮@たふるさん» コメントありがとうございます。これからもよろしくお願いします (2020年3月12日 13時) (
レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
雨宮@たふる - いつも楽しく読ませてもらっています。続編おめでとうございます。たまに来る燭さに、にきゅんとしてます！これからも頑張ってください。応援してます。 (2020年3月7日 15時) (レス) id: 3cde28d88e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冷泉 雪桜
| 作成日時：2020年3月5日 19時
