†陸佰捌拾弐† ページ24
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長義「俺は“山姥切長義”………
備前長船の刀工、長義作の刀。
監査官とし、結織君と共に
今回の任務に当たる者だ」
『(山姥切、長義………)』
山姥切。聞き覚えのある号。
確か夜蝶さんの初期刀も山姥切だった。
関係があるのだろうか。
銀髪を右側は耳に掛け、
前髪は左に流し、綺麗な蒼色の瞳。
その瞳は私を試すような眼差し。
静寂の水面のような瞳を見ると、
自然と背筋が伸びた。
長義「…………成る程、確かに七緒と同じ目か」
『！』
結織「そうですね。やっぱり綺麗な黄昏。
いつ見ても落ち着きますね」
『(あ、そうだった)結織さん、貴方はその、
刀剣男士が見えなかった筈では？』
結織「！………それは、その。
色々ありまして………それも踏まえて、お話を」
長義「単刀直入に言おう。七緒が倒れた。
七緒の桜真の目を結織に移した」
『えっ』
結織「ち、ちょっと長義さん！
こう言うのは段取りがあるんですよ！！」
今、なんて？
………め、目を移……移し………え？
本当に単刀直入過ぎて、
理解が追いつかないのだが。
いや、それより………今、
“七緒さんが倒れた”って言った？
なんでそんな事になってるの。
『七緒さんが、倒れたって………どう言う……』
結織「………七緒さん、
元々長くなかったみたいなんです」
『そんなっ』
結織「えっ、知らなかったんですか？
私達桜真の血筋の者は、元より短命なんです。
七緒さんの年齢から考えて、
彼は長く生きた方だと思います。
あ、まだ生きてますよ！？
今は病室で療養してます。
でも………もう長くはないかと」
『…………』
道理で、周りの人間が死ぬわけだ。
桜真が短命の運命…………
私は桜真の事について、桜真の血筋が受け継がれる
“祝の舞”以外、何も知らなかった。
自分が、桜真の血筋の濃い血縁者って事も。
何一つ、知らなかった。
結織「…………私は、七緒さんが成せなかった物を
受け継ぐために………私から心願したんです。
私に………“見える目を下さい”と。
母のような、強い人間になりたいから」
『変な人ですね………見えないほうが
いい事もあると言うのに』
結織「貴方と出会って、怖い物や嫌な物を
見なければならない事も知りました。
それでも私は守りたい。
見えなければ、守れない。
私は貴方の力になりたいんです。
九重さんは、私の友人ですから」
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冷泉 雪桜(プロフ) - 雨宮@たふるさん» コメントありがとうございます。これからもよろしくお願いします (2020年3月12日 13時) (
レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
雨宮@たふる - いつも楽しく読ませてもらっています。続編おめでとうございます。たまに来る燭さに、にきゅんとしてます！これからも頑張ってください。応援してます。 (2020年3月7日 15時) (レス) id: 3cde28d88e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冷泉 雪桜
| 作成日時：2020年3月5日 19時
