【刀剣乱舞】その神、縁を知る者

†陸佰陸†【紅羽の章】 ページ27

Aside








??《主、起きてくれ。朝だぞ》

『んー………』

??《あれ？珍しいね。主、寝坊かい？》


??《ずっとこうなのだ。主大丈夫か？
体のどこか悪いのか？》









ある日の朝。布団にくるまりながら
曖昧な返事しか出来ない自分。
声的に膝丸様と髭切様だと言うのは分かるんだけど、
起き上がることが出来ない………

昨夜遅くまで資料を読み込んでいたせいだろう。
起きなきゃいけないのに、布団から出れない。

ふかふかの布団が、私を、放して………くれない。









膝丸《うむ………どうしたものか》


髭切《今日の主は寝坊助君だねぇ。
主ー、起きなきゃ僕ががおーって襲っちゃうよー》


『………へっ！？』

膝丸《あ、兄者っ！！》

『お、起きます起きます！！ごめんなさいっ！』









何だかとんでもない言葉を耳にして、
私は慌てて飛び起きた。
すると目の前で髭切様が両手で頬杖を付いていて、
“おはよ”と笑った。

今まで自分で起きていたから
起こされる事は無かった。
だから起こして貰うことに慣れてなくて
たじろってしまった。









膝丸《起きたのならば支度をしてくれ》

髭切《着替えを手伝ってあげようか？》

膝丸《兄者…………》

髭切《冗談だよ、目覚まし丸》

膝丸《兄者俺は“膝丸”だっ！》









『………“どちら様ですか”』









私は会話の中で違和感を感じていた。
違う、私が知ってる源氏の二振りじゃない。

膝丸様はいつもトーンが柔らかい。
こんな素っ気ない感じではなかった。
髭切様は………分かりにくいけど、
こんなに触れては来ない。


目の前にいる彼らは、
私が知っている二振りではない。

確信して言える。知っているようで知らない。
一体、誰だ………？いや、付喪神である事には
変わりないようだが………









膝丸《？何を言っている？まだ寝ぼけているのか？》

髭切《また変な夢でも見たのかい？》









その反応は嘘を言っているようには見えない。
あまりにも自然な反応だったので、
“私がおかしいのか”と疑ってしまう。

彼らは、こんな感じだっただろうか。

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