【安室透】からかい上手の上司さん【降谷零】

No.30 ページ32

平和だなぁ。


私は忙しなくPCのキーボードを叩きながら考える


静まった空気、ピリピリした空気感


そして徹夜でぶっ壊れている上司の怒鳴る声


零「取り逃しただと！？お前ら何年公安やってるんだ！？あ"！？」


この前暴力団グループ構成員を抑える案件で、一人だけ取り逃したみたいで


私はその案件、現場には入れられてないが物凄く気の毒に思う。


零「人一人満足に追跡も出来ないで…！警察学校からやり直すか！？交番勤務からやり直すか！？それでよく公安が務まるな！！」



ずっと切れている上司を横目でチラッと見る




あれは多分4徹位は越えてるな。



あーなってるあの人は本気で怖い。ガチで凹むよな。わかる。

でも私はあの怒鳴っている上司に謎の安心感を覚えた


━━━━━━━━━あの人の色々な顔を見てしまって、戸惑っていたから、あれを見ると戻って来たと言う感覚になる。




静かだった空気感に水を差す様にスマホの振動音が鳴り響く



零「ちっ…！誰だ。」


盛大に舌打ちをした上司はスマホを取り出し、電話に出た



安「はい！安室です！…あ！梓さん！どうしました？」



━━━━━━━っ！？


凄く笑顔で電話に出る上司に、一同騒然となる。


私も、もちろん、その1人


切り替えがすげぇ…もう人格が違う。多重人格者レベルだよ。あれ。


電話の相手は梓さんみたいで、凄く笑顔で話していた。

笑いたいけど笑えない。私は必死でPCに食らいつくように手を動かした


笑ったら殺される。そう分かっているから


零「はい！…わかりました！はい！では！」


上司は返事をして通話を切った。


そして怒られているメンバーに、さっきのマジギレモードの顔を向けて


「早急に居場所洗いだせ！！次は無いぞ！！」


そう怒鳴りつけた。


流石だよ。トリプルフェイスは伊達じゃないなぁ。と感心した


怒られていたメンバーは急いで自分のデスクに戻る


私はそのメンバーの一人に、PCでメールを送った。その取り逃した構成員の足取り、居場所の目安となる所をこの時間で洗い出して置いたから、その情報と、一言。




『適当な時間でそれ報告して下さい。さっさと機嫌落ち着かせて寝かしつけましょう。』




そう送ると、その送った相手がこちらを見て涙目の目でお礼を言ってきた。




そして私はそのまま自分の仕事に戻り、作業を進めた。






「うん、やっぱ落ち着く。」

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