90話 虚ろな ページ41
「っ！A？！」
シャルナークはAの姿を捉えた瞬間、持っていたキーボードなことなど忘れて立ち上がった。
「A？！大丈夫？！どうしたの？！！」
キーボードが落ちてガシャーンという音を気にも止めずシャルナークはAの元に駆け寄った。
「A！聞こえる？！オレの方を見て！」
シャルナークはAの肩を掴んで揺さぶった。
帰ってきたAは血にまみれていただけでなく、顔には血の気がなく焦点が合っていなかった。
血はAのだけでなく、誰かの返り血を浴びたようでもあった。
シャルナークがAの顔を覗き込んでも虚ろな目は一向に焦点が合わず、どこを見ているのかわからなかった。
その目は現在の光景をうつす役割を果たしていないようにも感じられた。
まるで
過去のある一点を見つづけているかのようにー…
「A！A！」
しばらくシャルナークは肩を揺すりながら、Aを現実世界に連れ戻そうと名前を呼び続けた。
しかし、一向に戻って来る様子はなく人形のようになっていた。
くそ…どうしたらいい…
流石のシャルナークも突然のことに戸惑うばかり。
やむを得ない。
「A、ごめんね…ちょっとだけ痛いかもしれないけど今はー…」
そうシャルナークは呟いて、Aの白いうなじめがけて手刀を放った。
気絶させる程度の手刀を受けたAは声を出すこともなくそのまま力なく膝から崩れ落ちるように倒れる。
「っと…！」
シャルナークは崩れ落ちてくるAを保護するためにAの体を受け止めた。
「え…」
その時シャルナークはAの体の冷たさに驚いた。
シャルナークはまるで大きな氷を抱いているかのような感覚に陥った。
「くっ！まずい」
ことの深刻さに一度は苦しい表情をしたシャルナークだったが、すぐさま冷静さを取り戻す。
受け止めたをAをゆっくり地面におろしてから傷の確認を手早く済ます。
(大丈夫…この程度なら致死量じゃない)
出血の量を確認したあと、シャルナークはAの氷のように冷たい体を温めるべく、とにかく集められるだけの毛布を取りに駆け出した。
「くそ〜…団長もいないのに」
いつもは自分でなんとかできるタイプのシャルナークだったが、この時ばかりは流石の彼も団長の助けを求めたくなった。
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ミカヅチ イヴ(プロフ) - あやはさん» ありがとうございます＾＾あやはさんも受験勉強頑張ってください！＾＾ (2019年8月16日 10時) (
レス) id: e1903f9ba5 (このIDを非表示/違反報告)
あやは(プロフ) - すごくいいところに来ててわくわくしてます笑受験勉強の息抜きにすごく助かってます！これからも頑張ってください！ (2019年8月15日 22時) (レス) id: df4b2b1b15 (このIDを非表示/違反報告)
ミカヅチ イヴ(プロフ) - ゆっずーさん» 応援ありがとうございます＾＾これからも読んでもらえると嬉しいです！ (2019年8月7日 19時) (レス) id: e1903f9ba5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっずー(プロフ) - フェイタンもフィンクスも皆面白い笑笑更新お疲れ様でした！また頑張ってくださ〜い！ (2019年8月6日 23時) (レス) id: 9ee8873612 (このIDを非表示/違反報告)
ミカヅチ イヴ(プロフ) - ひがんさん» なるべく毎日更新頑張りますね！ (2019年8月2日 22時) (レス) id: e1903f9ba5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミカヅチイヴ | 作者ホームページ：
作成日時：2019年6月22日 12時
