54話 つまらない ページ5
あとコンマ数秒でフェイタンの手がAの頭に届きそうになった時、Aは目だけ少し悲しそうに振り返った。
振り返った時、Aの前髪がフェイタンの指先に触れるほど手はすぐ目の前にあった。
「このまま念で勝負したら私は確実に負けるんでしょうね…私に以前のような力はないわ…」
Aは曇った微笑みを浮かべた。
「でも…まだ死ぬわけにわいかないから…」
瞬きした瞬間、もうAの顔に微笑みはなく、ただ暗い暗い目をし、フェイタンを見つめていた。
「お姉さん前!!」
Aが後ろを見ているうちに、前方の車との距離はどんどん近くなっていてぶつかりそうになっていたので少女は叫んだ。
「あら、私としたことが…」
Aはフェイタンに構うのをやめ、前に向き直った。そしてフェイタンも自分の手を引いて座り直した。
「A、ワタシあそこで降ろすね」
フェイタンはどうやらこのあたりで仕事があるらしく数メートル先の角を指差した。
「わかったわ」
車を道路の脇に寄せて一旦駐車してフェイタンが車から降り降りるのをまつ。
フェイタンが降りたあと相変わらずこの男はお礼の一言もなしか、まあいつものことだけけれど…と思いながら車を走らせようとした時フェイタンがAのすぐ横の窓ガラスをノックした。
窓の下にある開閉ボタンを押して窓を開ける。
「まだ何か用かしら…早く出発したいのだけれど?」
「…」
フェイタンはなにも言わない。
「無駄な時間をとらせないでもらえるかしら」
そう言ってそのまま窓を閉めようとした。
「A、オマエつまらなくなたね。昔はもと殺りがいのあるやつだたよ。今は殺る価値すらなくなたね。」
やっとフェイタンは口を開いた。
Aはフェイタンのことをじっと見るが、今のフェイタンはAのことをいつものようにからかっているわけでもなさそうで、至って真面目だった。
「…余計なお世話よ。フェイタン…。もう行くからさようなら。」
Aは何か言い返すこともせず直ぐに窓をしめアクセルを踏んだ。
「お姉さん、いいの?」
少女は遠くなるフェイタンを見ながら言った。
「…なにがかしら」
「さっきのお兄さん、まだ何か言おうとして…」
「いいのよ…。別に。」
……
A達が出発して、車が巻き上げた砂ぼこりと2人きりになったフェイタン、彼はその後血に染まりに行った。
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ミカヅチ イヴ(プロフ) - あやはさん» ありがとうございます^^あやはさんも受験勉強頑張ってください!^^ (2019年8月16日 10時) (レス) id: e1903f9ba5 (このIDを非表示/違反報告)
あやは(プロフ) - すごくいいところに来ててわくわくしてます笑受験勉強の息抜きにすごく助かってます!これからも頑張ってください! (2019年8月15日 22時) (レス) id: df4b2b1b15 (このIDを非表示/違反報告)
ミカヅチ イヴ(プロフ) - ゆっずーさん» 応援ありがとうございます^^これからも読んでもらえると嬉しいです! (2019年8月7日 19時) (レス) id: e1903f9ba5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっずー(プロフ) - フェイタンもフィンクスも皆面白い笑笑更新お疲れ様でした!また頑張ってくださ〜い! (2019年8月6日 23時) (レス) id: 9ee8873612 (このIDを非表示/違反報告)
ミカヅチ イヴ(プロフ) - ひがんさん» なるべく毎日更新頑張りますね! (2019年8月2日 22時) (レス) id: e1903f9ba5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミカヅチイヴ | 作者ホームページ:
作成日時:2019年6月22日 12時