残り僅かの余命1【H×H】【幻影旅団】

23話 静 ページ24

ネテロ会長に呼び出されたAは人気の少ない寂しい廊下を橋にしてマーメンに指定された部屋まで歩いていった。









今日は会議か何かがあるのか、
廊下はいつもより静かだった。









幼い頃、周りが賑やかなところに身を置いていたためか、その反動で今はどちらかといえば静かなところの方が好きだ。









そんなことを思う。






しかし、なんだかんだで蜘蛛も賑やかである。

ふと頭の中で団員の顔たちが思い浮かぶと
何故だろ。
自然と口角が緩んだ気がする。







なんだか少し…
ほんの少しだけいい気分だと感じながら廊下を歩き続けると、目的地が見えてきた。









よくよく見ると薄っすらと扉が開いている。





「そういえば、誰かが最近会長の扉の閉まりが悪いとかいって嘆いてたっけ…」









やる気のなさそうに口を開けた扉のドアノブに手を掛けようとしたその時、








隙間からこちらに背を向ける白髪の老人がいた。







(あ、ネテロ会長だ)








瞳がその姿を捉えた瞬間、
無意識に伸ばしかけた手をAは引っ込めていた。









静かに息を殺し
今なら殺れるんじゃないか？
今なら隙だらけなんじゃないか？







今なら…
今なら。





と眼光鋭くネテロを見据えた…

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