12話 付け入るところ ページ13
椅子を丁寧にもとの位置まで戻し、砂がかった床を歩いて読書の邪魔にならないようにと部屋を退出しようとしたときだった。
「A」と言ったクロロの手にはザッと見ても500万くらいありそうな紙幣が握られていた。
今断りを入れたばかりなのに…。
「クロロ現金でも要らないわ」
クロロに背中を向けて答える。
もう私の用は済んだのだ。
早く自室で休息をとり明日に備えなくちゃいけない。
金を受け取ろうとしないAにクロロはさらに質問を投げ掛けた。
「じゃあ、何故シャルから金を受けとるんだ？」
どことなく私の嫌なところをついてくるクロロの方に背中を向けるのはやめて正面に向き直った。
回転してフワっと髪と服が揺れた。
「…別に…私は蜘蛛の中でシャルが一番いい方法で稼いでると思うからよ。
自らバックアップを行いそれで収入を主に得ているもの」
もういいかしらと言わんばかりにA洗い立ての髪をかきあげてヒビの入った窓に顔を向けた。
その空気を察してもなおクロロは話を進める。
「良心が痛むのか？」
は？良心…？と思い眉を眉間に寄せながらクロロを見据える。
「お金が必要なんじゃないのか？確か妹のためだったか…？」
『妹』という単語に反射的に体が反応してしまいAの瞳の瞳孔がカッと見開かれた。
「奪った金じゃ妹は喜ばないと……だから、直接奪う確率の少ないシャルから金を受けとるのか？
もう此方に来たからには奪った金もそうじゃない金もどちらも変わらないと俺は思う」
クロロに自分の甘い所を見透かされたような気がして、漬け込まれたような気がして、悔しいと怒りの感情がフツフツ沸いてきた。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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ミカヅチ イヴ(プロフ) - あさん» コメントありがとうございます！とても嬉しいです＾＾ (2019年7月26日 23時) (
レス) id: e1903f9ba5 (このIDを非表示/違反報告)
あ - とても好きです (2019年7月25日 20時) (レス) id: 0b49310475 (このIDを非表示/違反報告)
ミカヅチ イヴ(プロフ) - フェイタン天使さん» こんにちは＾＾コメントありがとうございます＾＾とっても丁寧なコメント嬉しいです。そろそろ頑張って再開するのでよろしくお願いします＾＾ (2017年10月18日 20時) (レス) id: e1903f9ba5 (このIDを非表示/違反報告)
フェイタン天使(プロフ) - 始め方(プロローグ)がとても好みでどういう展開が来るのかワクワクしました。妹の病気の話も気になるし、主人公の最期はどんな感じなのかもすごくワクワクします。更新待ってます (2017年10月18日 20時) (レス) id: 0471dee109 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミカヅチイヴ x他1人 | 作者ホームページ：
作成日時：2016年12月31日 17時
