【ハイキュー!! 】能ある鷹は爪を隠す＿ 01【男主】 (ページ44)

今日:48 hit、昨日:4 hit、合計:227,418 hit

再始動 ( 4 / 4 ) ページ44

「飛びながら睨み合うとか、無駄に器用過ぎだろ…」

グワッと相手に負けず劣らずなブロック。然し空中戦でも啀み合うふたりに苦笑通り越して、呆れる他無い。( 相手も吃驚してるし )

「ナイスブロック！」

「おしっ！」

「ちょっと。今止めたの僕なんだけど」

「あﾞ！？俺の手にも当たった！！」

「餓鬼じゃねェんだから、一々争うんじゃねえよ」

スパイクを止めたブロックへの賞賛の言葉にガッツポーズする影山と、それにピクリと反応した月島。思わず呆れたように声を掛ければ、ほぼ同時に視線を向けられる。( いや、マジで…反対なのか、息合ってんのかハッキリしろよ )

「ガキは王様だけです」

「あﾞ！？」

「お前ら、いい加減にしろ！！！」

( ほんと、何なの ) 再び大地先輩のお叱りが飛んだ所で、戻って来たボールを田中へと投げ渡した。

・
【第三者視点】

24対22。烏野のマッチポイントを迎えた２セット目。青葉城西側。

「ふ～～～むん…」

「やっぱりあの5番を止めない事にはなんとも…。おい今のカバー入れたろが国見ボゲェー！！」

「確かに…影山と5番のコンビは脅威だが…それ以外にも…冷静さは足りないが、パワーと気概溢れるスパイカーの田中君。若干覇気には欠けるがクレバーなブロッカーの月島君。穴の多い守備を広くカバーするキャプテンの澤村君。冷静に相手の動きを見極めて守備をする櫻井君。素人紛いは居るし守備はまだまだ穴だらけだが ── その〝素人紛い〟を軸にした変幻自在の攻撃…」

── 翻弄するとは、正にこのこと

「 ── 烏野か…ちぐはぐで、危うくて、面白いチームだ」

25点目、日向の変人速攻で終了。勝負は最終セットへと持ち込まれた。

・
【櫻井視点】

「おっしゃあああ！！このまま最終セットも獲るぜええ！！」

「なあ、影山」

「？」

「向こうのセッターって、正セッター？」

日向の背中を力一杯叩く田中に煩ェなと思いつつ、影山に話し掛ける。そして少し考える素振りを見せた後、首を横に振った。

「多分…ですけど…違います」

「「「えっ！？」」」

( やっぱりか ) そう思った所で、3セット目の開始を知らせる笛。

「「キャーッ！及川さ～～～ん！！」」

コートに入ろうとした時、聞こえた黄色い歓声。( オイカワって… ) 足を止めた影山にぶつかり掛けたものの、止まると其方へと視線を向けた。

「及川さん、無理しないで下さ～い！」

・

・