【ハイキュー!! 】能ある鷹は爪を隠す＿ 01【男主】 (ページ37)

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第１３話：先輩として ( 1 / 2 ) ページ37

「…A、起きろ。着いたぞ～」

「……あれ、マジかよ」

火曜日、放課後。着替えた後にバスに乗ってから、イヤホンを着けて音楽を聴き始めたのは覚えていたものの、それからの記憶は無く。どうやら寝ていた上に、その間に青葉城西に着いたよう。

「その様子じゃ日向がゲロったの気付いて無いな」

「何、またやったの」

力に続いた久志の言葉にそう返せば、またって？と声を揃えて返って来る。( あれは早朝練の時か ) 何でもないと鞄を掴んで立ち上がった。

「烏野つったら、マネが美人てことくらいしか覚えてないし」

「マジっスか！？」

「そーなのよ！ちょっとえろい感じでさ～。……後、すげー顔整った奴居たんだよな。及川さんとは真逆っぽいタイプだけど…女子が騒いでてさ～、クールで良いって」

「へえ、及川さんと真逆…」

「あっ後、そう言や、ガラの悪い奴も居たな～。ボーズで目つき悪くてさ～」

体育館に向かう中、唐突に聞こえて来た話し声。オイカワさんとやらは何処かで聞いた事有るなと思いつつ、最後の辺りは田中の事を言ってる事は直ぐに分かった。

( 俺、知ーらね )

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【第三者視点】

「アッタマ悪そうな顔した ―― 」

「「！？」」

「あっえーっと」

向こうからやって来る相手に顔だけ覗かせた田中。そんな彼の顔に体をビクつかせては、気まずそうに目を逸らす青葉城西バレー部の男子ふたり ── 矢巾と、金田一である。

「…烏野(ウチ)を…あんまナメてっと…」

「アﾞーーッ」

「喰い散らかすぞ。」

「「！！？」」

ガン付ける田中、至って真顔のA、影山、月島。その背後には、まるで呼び寄せられたかのように集まっていたカラス達。

そして田中の言葉に応えるように、鳴いては飛び立って行く。雰囲気有るそれに矢巾と金田一の肩が大袈裟なくらいに跳ねた。

「そんな威嚇しちゃダメですよ～、田中さ～ん」

何かを思い付いたように、にやと笑った月島。そして笑顔を作ると、まるで3対3の時の田中のように少し高い声を出した。

「ほらぁ、＂エリートの方々＂がびっくりしちゃって、可哀想じゃないですか」

「べっ別にビビってねえよっ！」

「おう、そうだな。イジめんのは試合中だけにしてやんねーとな」

「……別にどうでも良いけど、さっさと体育館行くぞ。大地先輩に怒られたくなきゃな」

月島の言葉に同じようににやにやと笑う田中。負けじと言い返す金田一を横目に、Aは案外似た者同士かもなと思いながら口を開いた。

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