コンビ誕生 ( 2 / 3 ) ページ25
【 縁下視点 】
「…正直…影山と日向の攻撃を止めらんなきゃ、決定力に欠ける月島チームにはキッツいよなぁ」
「…月島や山口の攻撃が決まって無い訳じゃないんだけどな。影山は未だしも、日向はレシーブ下手くそだし。其処狙えば、ワンチャンくらいは有るだろ」
「……Aだけは敵に回したくない」
「は?」
木下の呟きに口を開いたのはAで。冷静且つ的確な分析を淡々と語れれば、木下が少し身震いした後、そう口にした。
急に何だと言いたげな顔したAに苦笑して内心、木下に頷いた。( 此処まで分析されて、且つ其処を突かれるのは嫌だよなあ… )
その後もお互い一歩も譲らずと言う感じで、進んで行く試合。19対19。同点になった所で、トレーナーを脱ぎ捨てた月島にAが小さく笑ってはそれを回収する。
「やっと、本気になったかな」
回収して戻って来ては、小さくそう呟いたAに首を傾げていれば、何でも無いというように首を横に振った。
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【 櫻井視点 】
24対20で、影山チームのマッチポイント。三人で動き回るのも有るが、それだけでは思えない程に汗をかく影山と日向。
「…影山…凄えけど、すんごい神経すり減らしそうだな、あの精密なトス」
「日向も、普通の何倍も動き回ってしんどそうしなあ…」
「…うん……でも ―― 」
「「 ── オオッシ!!!」」
「楽しそうだ」
久志と俺の言葉に、ラストを決めてガッツポーズをするふたりを見ながら笑うスガ先輩。そして笛が鳴ると一年4人は限界を迎えたのか、倒れ込んだり、座り込んだりとそれぞれ大きく肩で息をしていた。
試合は2セット先取で日向・影山チームの勝利。( 影山にとっては、これで無事にセッターとして活動出来る訳だ )
「終わったなー」
「すげードキドキした」
始まる前はどうなるかと思っていたが、案外どうにかなったなと思いながら呟けば、ふらりと田中が此方へとやって来た。お疲れと言えば田中のタオルを渡せば、サンキューと言いながら受け取ってはそれで顔を拭く。
「大地さんも、スガさんも、Aも…
――「
――「なんかうまいこと使ってやれんじゃないの!?」
――「日向が影山に合わせるんじゃなくて、日向のジャンプ…と言うよりかは…打点?に合わせる感じでトス上げるとか」
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作者名:紗羅 | 作成日時:2017年10月16日 1時