【ハイキュー!! 】能ある鷹は爪を隠す＿ 01【男主】 (ページ20)

今日:6 hit、昨日:5 hit、合計:227,540 hit

日向と影山 ( 2 / 4 ) ページ20

「うぅ…全然タイミングわかんねえよ…」

「お前、反応速いんだから、もっとこうバッ！ぁと来いよ！グワッ！っと！」

「＂バッ！＂なのか、＂グワッ！＂なのか…どっちだ！！！」

「重要なのソコじゃねえよ！！」

「 ── 影山」

何本目かミスをした後、擬音が多過ぎる会話を繰り広げる日向と影山に田中が突っ込む。そして冷静に声を掛けたのは、スガ先輩だった。

「それ(・・)じゃあ、中学の時と同じだよ」

ボールを拾いながらそう言ったスガ先輩。どういう意味だろうと言いたげに首を傾げる影山に、内容まで考えていなかったのか、あーえっと…と言葉にならない声を漏らす。

「…日向は機動力にも優れてます。バネやスピード…ついでにスピードもある。慣れれば速い攻撃だって……」

「 ── 日向の、その…〝すばしっこさ〟っていう武器。お前のトスが殺しちゃってるんじゃないの？」

「！」

「日向には技術も経験もない」

「！？菅原さん！？」

「中学で、お前にギリギリ合わせてくれてた優秀な選手(プレイヤー)とは違う」

「…………」

「でも、素材はピカイチ」

「！エッ、そんな…天才とか大げさです。いや、そんな」

「言ってねーよ」

菅原さんの言葉を真面目に聞く影山と、ひとつひとつの詞に反応する日向。忙しい奴だなと思っていれば、容赦無く田中の突っ込みが入る。

「…お前の腕が有ったらさ、」

「？」

「なんつーか…日向の才能というか、持ち味というか…そういうのもっとこう…えーっと…うまいこと使ってやれんじゃないの！？」

冷静に見えたスガ先輩が急に言葉に詰まり出して、それを田中が応援する中、影山もぎょっとしながら先輩の話を聞いていた。

「……俺も…お前と同じセッターだから、去年の試合見てビビったよ。ズバ抜けたセンスとボールコントロール！そんで何より…敵ブロックを冷静に見極める目と判断力！！……俺には全部無いものだ」

――「んー…正直に言えば怖いよ。俺が持ってないモノを影山は持ってて…尚且つ、どんなに手を伸ばしても、届かない所に影山アイツは居るんだなあって思うんだ」

言いながら、少し顔を俯かせてしまったスガ先輩に、思い出すのは木曜日の早朝連の時に話した事。

「技術もあって、ヤル気もありすぎるくらいあって、何より…〝周りを見る優れた目〟を持ってるお前に仲間のことが見えないはずがない！！」

「「！」」

・

・