【ハイキュー!! 】能ある鷹は爪を隠す＿ 01【男主】 (ページ18)

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試合開始 ( 4 / 4 ) ページ18

「月島に勝って、ちゃんと部活に入って、お前は正々堂々セッターやる！そんでおれにトスを上げる！それ以外にあんのか！？」

なんて事無いように言う日向に、常にポーカーフェイスに見えた影山が、意表を突かれたような顔をするのは少し意外で。

そして続けられた言葉に、影山は何か言いたげに日向を見ていた。( 多分、田中と違って言葉が出て来ないだけだとは思うが )

「 ── そういう…いかにも＂純粋で真っ直ぐ＂みたいな感じ、イラッとする」

「ムッ！？」

「気合で身長差は埋まらない。努力で全部なんとかなるって思ったら、大間違いなんだよ」

日向の言葉に大して、顔を歪めながら苦々しく呟いた月島。彼の言葉に同じコートに居る大地先輩が首を傾げるのが見える。斯く言う俺も気にならない訳では無く。( 月島も過去に何か有ったクチか )

〝コート上の王様〟である影山と言い、セッターに恵まれずに三年間やっていたらしい日向、曲者の月島。( 山口は良く話していないのも有って、掴めてないが ) 今年は色々と抱えた奴が入って来た物だと思いながら、軽く息を吐いた。

「田中さん！」

「任せろ！」

「「俺に上げろ！！」」

多少変な空気にはなったものの、試合が再開して、相手側から返って来たチャンスボールを確実にセッターに返す田中。

ボールが手元に来るまでほんの数秒、影山は何方にトスを上げるか悩んでいるように見えた。── けれど ――

「田中さ ―― 」

「影山！！！」

「！？」( ── そこに、誰も )

「居るぞ！！！」

「っ…！」

── それは一瞬の出来事。田中に上げようとした筈の影山は、日向の声と動きに引っ張られるように、咄嗟に身体を捻ってはバックトスを上げた。( あの体制でも正確にトスが出せるってのは凄いな )

影山のトスに手を伸ばして、フェイトのようにネットを越えるボール。大地先輩が意表を突かれたように声を上げながら前に滑り込んだものの、それはコートへと落ちた。( トスを呼んた張本人が空振りする所だったと言ってる辺り、フェイトになったのは偶然の様である )

「お前、何をイキナリ ―― 」

「でも、ボール来た(・・)！！！」

「！」

「中学のことなんか知らねえ！！おれにとっては、どんなトスだってありがたぁ～いトスなんだ！！おれはどこにだってとぶ！！どんな球(ボール)でも打つ！！だから ――

おれにトス、持って来い！！！」

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