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その日もいつも通りの昼休みのはずだった。いつも通りの昼休みに、なるはずだった。現実どうなったかと言えば、私は先程の出来事が頭を旋回していて考えがまとまらずにいる。目の前の宮くんは涼しい顔をしてご飯を食べ始めていると言うのに。


話は10分前に遡る。



***


昼休みになったので私はいつもの通りにあの空き教室に向かっていた。宮くんからは、バレー部のちょっとした集まりがあるとかで遅れると連絡が入っていた。だから私は途中で気を変えて自動販売機の方に向かったのだ。


持ってきた水筒のお茶を切らしてしまったので、一本150円のお茶を適当に買う。やっぱり家で作って持ってきた方が安く済むなあ、なんて考えてたら数人の話し声がこちらに近付いてきた。反射的に顔を上げると、私が今現在お付き合いとやらをしている相手とバッチリ目が合う。


宮くんと、銀島くん。あと1組の方の宮くんと、同じく1組の角名くん……だったろうか。バレー部の2年スタメンか、と合点がいった。

ほとんど無意識に視線を下げて、目が合ったことなんて無かったかのようにその場を離れようとした。それが一番正しい行動だって思っていたしそのはずだ。けれど。


「あれ、坂城さん今日は水筒じゃないん??」


どんな顔したらいいか、分からない。
多分そんな顔を私はしているだろう。


ただのクラスメイトみたいに当たり障りの無い笑みを浮かべようにも、宮くんの言葉がそれを許さない。毎日水筒を使ってるだなんて、そんなこと気付いてたんだ。



「お茶持ってきてたんだけど、切らしちゃって」
「今日蒸し暑いもんな〜、坂城さんも熱中症とかならんように気いつけや」
「うん」



なんだこれ。なんでこんな普通に会話が続いてるのかも分からない。いや、これがクラスメイトとの正しい距離感なのか? でも、いや、見られている。


「この人が坂城さん?」
「おん」



どんな顔をしたらいいか、分からない。
自分が今、どんな顔をしているのかも分からない。



1組の方の宮くんまで私の事知っているというかこの場合宮くんが宮くんに私の事を話したんだろうけどどんな風に私の事を言ったのかそれに銀島くんや角名くんの前でそんな風に話題に出すってそれってどんな説明をしたのか私はクラスメイトとして振る舞うのでいいのかいやそれしか無いはずででも




「今から教室戻って弁当取ってくるから、いつもんとこで待っといてな」




どういうつもりでそんなこと。

 

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えま(プロフ) - せなけいこさん» そこまで言っていただけてただただ感謝です!! ありがとうございます!! (2020年10月3日 15時) (レス) id: 1055510b53 (このIDを非表示/違反報告)
せなけいこ - 星の数が足りません!めっちゃ好きです!! (2020年10月3日 14時) (レス) id: ef980343e4 (このIDを非表示/違反報告)
えま(プロフ) - おかか。ですか?さん» ありがとうございます!! 作品を楽しんで頂けたようで幸いです!! (2020年9月7日 18時) (レス) id: 1055510b53 (このIDを非表示/違反報告)
おかか。ですか? - 私の語彙力がないせいで言い表せないんですけど、めっちゃ面白かったです!最高でした!! (2020年9月7日 17時) (レス) id: 0ecde9d0b0 (このIDを非表示/違反報告)
えま(プロフ) - せりなさん» 天才だなんて!! 身に余る言葉です、ありがとうございます!! (2020年5月13日 5時) (レス) id: 1055510b53 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:えま | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2019年4月24日 17時

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