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Fkr Side
朝。
目覚めは最悪。
何しろ昨日は一緒に居たいがために送りに行ったAの家で彼氏の存在を見つけてしまったからだ。
俺って本当になんも知らない。
そして生憎、今日はAと話し合いをしなければならない。
なるべく早く済ませようと出勤してからすぐ声をかけて会議を終わらせる。
お昼を共に買いに行く時、もしかしたら、に望みをかけてAに聞いてみることにした。
「そういえば、さ。Aって彼氏いたんだね。」
一瞬、顔をこわばらせるA。
聞いちゃ駄目だったか？
「まぁ一応。前の会社の取引先の人。」
しかしすぐに苦笑いをしながら返事をくれる。
「一応ってなんだよ笑」
一応、か。
東大生に学校聞いてるんじゃないからそんなのつけなくていいのに。
でも、やはりショックが大きい。
俺、今きちんと笑えてるか？
「その人とはうまくいってるの？やっぱり、結婚する感じ？」
自分を苦しめるとわかっているのに、負け惜しみのようにAの彼について聞いてしまう。
「結婚かぁ。ほど遠いかも。」
予想外。
ほど遠い、だって？
ねぇ、もしかしたら俺にもチャンスがあるっていうのか？
そんな考えが浮かんだがすぐに心の奥に仕舞い込む。
バカだな、俺。
Aに頼りにされない俺に、チャンスなんてあるわけないだろう。
第一俺は、幼馴染じゃないか。
そう、ただの。
幼馴染。
6文字が俺のこころに響いて沁みる。
あぁ俺、Aのことすげぇ好きだ。
叶わない恋なんて、勝率ゼロの恋なんて。
そんなの誰だってやりたくない。
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作者名：星ノ瀬豹&歌音 | 作成日時：2022年7月31日 18時
