【QK】一番近くて、遠い場所。〔Fkr〕 (ページ12)

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Side You

福良の家にお邪魔させてもらって早2ヶ月。
もう佐々木裕介とはしばらく会っていない。

今頃他の女と住んでるのかな。
私はもうあいつの記憶の中にはいないのだろうか。

そんなこと、どうでもいいけれど。

今は7月。
もう少しでお盆、今日はオフィスで仕事の追い込みをしていた。

「Aさん、お昼一緒にどうです？」

キュルキュルの目でそう頼み込んできたのはこうちゃん。
相変わらず自分の武器は可愛さであるとわかっているようで。

「いいよー。食べよ。」

こうちゃんが待っているテーブルに椅子を引っ張っていく。

「「いただきまーす。」」

2人仲良く声を揃えれば、待ちきれないと言ったようにオウちゃんが口を開く。

「Aさん、一つだけ聞いていいですか？」

「どうぞー。」

こうちゃんが私に聞きたいことか。
珍しい。親切に答えることにする。

「Aさんって、福良さんと付き合ってます？というか同棲…？」

…は？

「いやこうちゃんｯｯｯwwそんなわけっっw」

なんて面白い子。
私と福良が？？
そんな不釣り合いなことあるか？

「そ、そうですか？いつも一緒じゃないですか。」

「それは家が一緒だからで。」

「一緒じゃないですか！同棲じゃないですか！」

「だからちゃうねん一緒に住んでるだけ！」

「えぇ…福良さんすごいなぁ。」

何がや。
こんなダメ女と一緒に住んでるのがすごいって？
こうちゃんそんな私のことやばいと思ってる？！
なんて冗談は置いておいて。

「俺だったら我慢できないもんなぁ…」

何か真剣な顔をして独り言を言い始めるこうちゃん。
変なの。

「福良変なところで優しいからさ。」

「それは…」

何かを言いかけるこうちゃん。
続きが気になったところで、仕事戻りますねと去っていく。
いや仕事戻るってお昼食べてないやろあんた。

やだなぁ、意味深な言葉を残しやがって。