うちの兄達の様子がおかしい (ページ21)

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＃１９ページ21

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「ただいまー」

誰もいない家に挨拶をして入る。
２階に行く程の気力が無かった私は、ソファーに鞄と腰を下ろした。

「着替えないわけ」

「んー･･･着替えるけど面倒臭い」

そう言うとせめて手洗いうがいは早くしろ、と律兄に急かされたので洗面所へと向かう。
うちはそういうのに厳しいんだ、私に何かあると決まって上2人が一番焦ってたから。

水道の蛇口を上げ、手を洗う。
うぅ、すぐ側にあるハンドソープに手を伸ばすのも面倒だ･････････。
そんなことを思いながら溜息をついてふと前を見ると、洗面所の鏡にいつの間にか映っていた人物に気がついた。

「うわ！！？？？･･････り、律兄･･･驚かさないでよ」

「驚かしたつもりはないんだけど」

律兄は壁に腕をかけながら鏡の中の私に話しかけている。私はすぐ退くから待ってて、と早めに手洗いうがいを終わらせてリビングへと戻るために歩を進めた、･･･その時。

「･･･待て」

「･･･！何？」

不意に呼び止められ後ろを向くと、相変わらず怖い眼をしている律兄の姿が視界に入る。
返事を返した私に、律兄はこう続けた。

「今日はなんかあったの」

なにかあったの。
学校から帰ると決まって律兄はこの台詞を吐く。
心配性の雫兄から、私が誰かに危ないことはされていないか聞いてと頼まれているのか･･･それとも、男が私に近付いてきていないか自分が知る為なのか。
多分律兄のことだから後者なんだろうけど。

「別に何もなかったよ」

私は笑顔でそう返し、もう一度リビングへと向かおうとした。