うちの兄達の様子がおかしい

＃１０ ページ12

「ほ、ほんとだもん！」

「証拠は？」

「し、証拠ぉ･･･？」

雫兄の返答に、私はガクッと頭を下げる。
今はもう夜中だし、流石にLINEしちゃ迷惑だろうし･･･。証拠、と言われてもなぁ･･･。

「･･･あれ？っていうか告白されたっていう証拠もなくない？」

私がそう言うと、優兄と雫兄はお互いに顔を見合せ首を傾げる。あれ？これ勝ったんじゃない？

「･･･返事待ってるねっていうLINEが唯一の証拠だろ」

横からそう言った律兄は、眉をひそめながらLINE画面を見つめている。

「だ、だってそれだけじゃ分からないでしょ？委員会の提案の話かもしれないじゃん」

「そんな書き方するかよ普通」

それは共感できる。けれど実際に送ってきたのだから仕方ない。

やっぱり迷惑だろうけど一か八かでLINEするか･･･？
他に打開策が見つからない以上、こうするしかないよね。

私は覚悟を決め、兄達に見ててね、と言ってメッセージを送信した。


A夜遅くにごめんね。返事ってなんのことだっけ?


･･･大丈夫、男子を信じろ。
数分ほどでLINEに既読の文字がついた。


「やった･･････！」


もう勝利が見えてきた･･･！
画面の前でうきうきと待機している私とは違い、兄達は後ろと横からスマホ画面を苛立ちを含んだ顔で覗き込んでいる。

すると数秒後、LINE特有の通知音が鳴った。

＃１１→←＃９

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す