ハルカ【mackenyu】

16day ページ16

泣きそうな人をほっておくわけにもいかず、右往左往したあたしはこんなことを口に出した。



「あの…一緒に帰る？」



実際は眩しくて顔を歪めていたのかもしれないけど、あたしにはそんな風に見えなかったから。



うつむいていたまっけんゆうは少しだけ視線を上げた。
大きい目とそれを縁取る睫毛の影が麗しい。



『…送ってあげる』


「へ？いいよいいよ！あたしなんか誰も見もしないよ」


『さっきだって言い寄られてたのに？珍しい日本人はここの人すぐ食いつくよ』



おっ、そう言えば…
物好きな人も居るんだな…



「ねぇ、ジェジは何て言ってたの？」



なかなかジェジはイケメンだったと思う。
白人に免疫がないからそう見えるだけかな。



『……今度の日曜僕の家に来て遊ばない、って』



あぁーそういえばSundayは聞こえたような…
さすがアメリカはフレンドリー。
今日初めて会う人を誘うなんて、根っこから考えが違う。



「そっかそっか…」


『行きたかったの？』



伺うような視線で聞いてくるから、思わず首を振っていた。



「ううん、全然！ってか、帰ろ？暗くなるよ」



まっけんゆうの体を押しのけて通る。
何となくもうこの話はしたくなさそうな顔をしてる。



『…そっちじゃないよ』


「嘘」

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