襲来 ページ6
マーク視点
「風邪をひかないように気を付けてって……親みたいなこと言ってるけどマクヒョンさぁ、本当にこれがラブレターだなんて言えるの？」
「、ヘチャニ……お前なんで見てっ……！」
「おっと危ねっ。ねえヒョン、寝癖くらい直したらどう？」
「話を逸らすな！」
「じゃあ逸らさないで言うけど、マクヒョンのものは僕のものでしょ？それなら、これをどうしようが構わないじゃん。いっその事また一緒に暮らしてみる？」
「嫌に決まってるだろ！」
「なんで！この前は寂しいって言ってたくせに！」
「言ってない！」
「そうだっけ？で、話はちゃんと戻すけど、ここに来た時何でも自由に使って良いって言ったのはマクヒョンだよ」
「……だ、だからって人のメールを勝手に読むな。普通に、常識だろ」
「さあね。僕、常識の通じるような所で生きてないし」
何の連絡もなく勝手に鍵を開けて入ってきたヘチャニを渋々招けばすぐこれだ。
請われるままキッチンでコーヒーを入れたのだって間違いだった。
開かれた送信メールの一覧を閉じて睨めば、肩を竦めて何を悪びれる事もなくヘチャンが笑う。
「あのさ、甘い言葉の一つも書けないわけ？」
「……書ける。書かないだけ」
「やっぱ書けないんじゃん」
「うるさい」
「マクヒョンってば毎回そう言えば済むと思ってんの？」
「本当に、ちょっと帰ってくれ」
「そんな言葉で僕が帰るとでも？」
「帰れ！」
「もうメールなんて送ってないと思ってたのに」
「……オレの勝手だろ」
「返事も来てないし」
「そこまで確認するな」
まったくこいつは……
ちょっと目を離せばすぐこれだ。
ヘチャンはいつまでも昔のままで、年を重ねればまともになると思ってたのに、そういう兆しを見せる様子は一切無い。
手に持っていたコーヒーを渡せば、オレの持っているマグカップと見比べて「ヒョンとペアかよ」と悪態をつき、大仰で尊大そうな足の組み方で一人掛けのソファに座った。
「この前ロンジュナと話してたんだけど、マクヒョンはAヌナが今何をしてると思う？」
「……仕事ってこと？」
「まあそうだね、なんでも良いけど」
「うーん……少なくとも人前には出てないだろ。だったらすぐに情報が回って来るだろうし」
「そうだねぇ」
「案外何もしてなかったりしてな」
「そんな事って有り得る？Aヌナあんなにワーカーホリックだったのに」
「じゃあ人目につかない仕事」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1261人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さっちゃん(プロフ) - 作品読ませていただきました。途中胸が苦しくなるほど、とても良い作品でハッピーエンドで終わり良かったです。またトキメキと良い意味での胸の苦しさを求めて何度も読もうと思います。素敵な作品をありがとうございます。 (9月26日 22時) (
レス) @page49 id: 585b81384e (このIDを非表示/違反報告)
ちるぬな(プロフ) - 初めてこの作品を読ませていただきました。言葉遣いからストーリー構成まで、ほんとうに好きです。素敵なお話ありがとうございます。これからまた何十回と読ませて頂きます^_^ (9月20日 21時) (レス) @page49 id: 7c0a70e250 (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - はるかさん» 私こそすみません…！作品の方また楽しんでいただければ幸いです！ (2021年8月31日 11時) (レス) id: 9dd39ae13b (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - せのさん» そうだったんですね！失礼いたしました...！ (2021年8月30日 21時) (レス) id: ef764b671d (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - はるかさん» こちらこそ読んでくれてありがとうございます〜〜！！Twitterはしてないので教えられず……！ (2021年8月30日 16時) (レス) id: 01bd2f8507 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：せの
| 作成日時：2021年8月2日 0時
