おまけ・恋よ、ゆるやかに歩め ページ45
ヘチャン視点
僕はと言えばとんでもなく怒っていた。
マクヒョンが帰国すると聞きつけた僕がわざわざ空港まで出迎えたにも関わらず、マクヒョンの隣にはAヌナがいなかったからだ。
ヒョンは僕を迎えた瞬間「おっ、ヘチャナ！」と声を上げて腕を広げ、まるで浮ついた子供みたいに僕を招き入れるように手を広げるから即座に腕を叩き落とした。
ヒョンがデカい声で「なんだよ！」と憤慨するのも見届けずに「ヌナはどこ？」と聞けば、「お前、オレを迎えにきたわけじゃないのか……」とじとりとした目で見るけど、そんな当たり前の話をわざわざ聞くなんて頭がどうかしてる。調子に乗るなと言いたい。
そもそも僕とヒョンなんてたかだか一週間会わなかっただけじゃないか。
僕とAヌナがどれだけ会えなかったと思ってるんだ。
これも全部マクヒョンのせいなの、に……いや、僕のせいなんだけど。
とにかく、とにかくだ。
何か準備があるとかどうとかごちゃごちゃ言って、結局マクヒョンはAヌナを連れ帰って来てはくれなかった。
がっかりだ。何をしに行ったのか。
そもそもまた隠れられちゃったらどうするんだと内心キレてはいたけど、ヒョンがずっと鼻歌混じりで、羽が生えたみたいにふわふわしてるんだから大丈夫だろう。
左手の薬指に見慣れない指輪を嵌めている事は、あえて何も聞かなかった。
そういえば先に帰国したヤンヤンと昨日会ったけど、同じような指輪を中指にしていたような……
待てよ、ユタヒョンがお土産をくれた時にも似たような指輪を……
……そんな事は置いといて、明らかに以前より笑みが増したマクヒョンとはそれから二週間ほど一切話をしなかった。
よく会ってはいたし、同じ仕事も練習もこなしていたけど、意図的に話をしてあげない事で僕の意志表示をしたかったからだ。
まあ、マクヒョンはマクヒョンだからそんな僕の事に一つも気付かなかったけれど。
さすがにこれはジャニヒョンから慰められた。
そして昨日の朝、とうとうマクヒョンから電話が掛かって来たと思ったらご飯の約束だった。
それが何を意味するか、僕は知っている。
いやお願いだから僕の予想通りであってくれと願いながら、その日のうちに新しく着ていく為の洋服を買いに出かけた。
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さっちゃん(プロフ) - 作品読ませていただきました。途中胸が苦しくなるほど、とても良い作品でハッピーエンドで終わり良かったです。またトキメキと良い意味での胸の苦しさを求めて何度も読もうと思います。素敵な作品をありがとうございます。 (9月26日 22時) (
レス) @page49 id: 585b81384e (このIDを非表示/違反報告)
ちるぬな(プロフ) - 初めてこの作品を読ませていただきました。言葉遣いからストーリー構成まで、ほんとうに好きです。素敵なお話ありがとうございます。これからまた何十回と読ませて頂きます^_^ (9月20日 21時) (レス) @page49 id: 7c0a70e250 (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - はるかさん» 私こそすみません…！作品の方また楽しんでいただければ幸いです！ (2021年8月31日 11時) (レス) id: 9dd39ae13b (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - せのさん» そうだったんですね！失礼いたしました...！ (2021年8月30日 21時) (レス) id: ef764b671d (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - はるかさん» こちらこそ読んでくれてありがとうございます〜〜！！Twitterはしてないので教えられず……！ (2021年8月30日 16時) (レス) id: 01bd2f8507 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：せの
| 作成日時：2021年8月2日 0時
