限界なんだよ！！ 9 ページ24
片手をズボンのポッケに入れて、九井を見下ろすような目で入って来たのは竜胆。
そしてどちらかと言えば怒りたいのは九井の方で、Aが怒る理由はどこにもない。
「姉ちゃんすげー機嫌悪かったけど」
「報告書を出せと言っただけだ
怒れる立場じゃねぇだろ」
九井の言葉に、ふーん。と言いながらソファーに腰掛けた竜胆は、足を組んで九井を見つめる。
「まぁ、姉ちゃんがお前に怒ってる理由はなんでもいいけど
あんま怒らせねぇ方がいいと思うけどな」
「…そうやってお前らが甘やかすから、あんな世界一わがままな人間になるんだ」
「甘やかしてねぇよ
俺も兄貴も、世界一愛してる女を愛してるだけ」
それだよそれ。と心の中で思いながら頭を抱えた九井は、今までのこの姉弟の過ぎた愛情を思い出していた。
「で、姉ちゃんの仕事誰がやんの？
明司？」
「あぁ
いい酒と引き換えだと」
やっぱな。と少し口角を上げた竜胆に九井は首を傾げる。
「明司この前姉ちゃんを怒らせて弱み握られてんだよ
死んだ方がマシってレベルの弱み
だから今アイツ姉ちゃんに逆らえねぇの」
「は？」
「いい酒と引き換えってのは今アイツができる最低限の抵抗だろ」
「なんの弱みだ」
若干嫌な予感がしつつも、どの程度の弱みなのかを知りたい九井は少し緊張していることを隠しながら竜胆に尋ねた。
「さぁ？俺も兄貴も知らねぇ
知ってたら弱みになんねぇだろ
姉ちゃんしか知らねぇから弱みなんだよ」
黒歴史とかじゃねぇの？とどうでも良さそうに言う竜胆に、九井は背中に汗が流れた。
ヤバい。
その言葉に尽きる。
「だから、あんま姉ちゃん怒らせねぇ方がいいぜ」
隠しきれない焦りと動揺を見せる九井の様子に、ニヤリと笑った竜胆は追い討ちをかけた。
「酒買うついでにお前の弱みのネタ探しに行ったかもな」
それだけを残して、よいせ。と立ち上がった竜胆の手を咄嗟に掴む。
「待て竜胆
回避方法教えろ
金はいくらでも出す」
「金には困ってねぇよ」
「……酒か？女か？」
「どっちも自分でどうにでもできる」
「……仕事減らしてやる」
ようやく出たその言葉にニヤリと笑った竜胆は、乗った。とソファーに座り直した。
「方法を教える前にまず俺のスケジュール変更しろよ」
踏ん反り返って言う竜胆に、舌打ちをしたい気持ちを押し殺してパソコンに向き直った九井は、竜胆の仕事の半分を武臣に移動させた。
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轟琴葉(プロフ) - 凄く面白くて小説の書き方や表現がとっても上手くて二、三度読み返してしまいました！これからも活動頑張ってください！ (3月24日 14時) (
レス) id: 527b239b5f (このIDを非表示/違反報告)
喜成 - 読み終わってしまったが。次何を読んだらいい?これ以上の作品ありゅ? (4月21日 20時) (レス) @page41 id: 330e82b250 (このIDを非表示/違反報告)
玉兎(プロフ) - めいだぅ！さん» コメントありがとうございます！！嬉しい限りです😭 めいだぅ様にとって記憶に残る作品になれた事を誇りに思います✨ ありがとうございました🥰 ぜひ今後ともよろしくお願いいたします☺️ (2023年2月8日 16時) (レス) id: 5cb8755336 (このIDを非表示/違反報告)
めいだぅ！(プロフ) - 完結おめでとうございますうぅ😭ずっとずっと1番大好きな作品で追いかけさせて貰ってました😭この小説で号泣したり、笑ったり、ときめいたり、ほんとに素晴らしすぎる作品でした😭主さんの今後のご活躍楽しみにしてます(^ ̥_ ̫ _ ̥^) (2023年2月7日 23時) (レス) @page41 id: c10d69082a (このIDを非表示/違反報告)
玉兎(プロフ) - YUMiさん» コメントありがとうございます！！ そう言ってもらえると嬉しいです😭😭 沼にハマってください仲間です😂 こちらこそありがとうございます♡ ぜひまたよろしくお願いします✨✨ (2023年2月2日 20時) (レス) id: 5cb8755336 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：玉兎
| 作成日時：2022年9月28日 20時
