女神の伝説5 ページ11
「A！
今あそこと契約が切れるのは梵天にとって損しかしねぇ
用済みになるまでは向こうの機嫌取る必要がある」
『だったらお前が行けよ
生憎マイキー以外に振る尾は持ってないんでね』
そう言ってドアの前から退いたA様に九井様はため息を落とした。
「頼むA
アイツは無類の女好きなんだ
現に一度三途が行って契約不成立だっただろ」
三途様のあのお顔でもダメだったのか。と呑気に思う私はこのピリついた空気にも慣れてきたらしい。
『…それで蘭に女の部下を連れて行かせて脱がせたらしいな
そんな事で契約を取るから足元を見られるんだ
それで無茶な条件を出してきたから今度は私に機嫌をとって来いってか？
ナメるなよ』
今にも銃口を向けそうなA様の殺気に全身から鳥肌がたった。
「それは断じて違う
今行って相手を殺さない可能性の高いやつがAしかいないだけだ
お前にそんな真似はさせねぇ」
『どうだかな
向こうはそうは思わないだろうよ』
グッと押し黙ってしまった九井様を鼻で笑ったA様は、高くつくぞ。と言い残して今度こそ車に乗り込んだ。
「あの、場所は」
『ここに』
ぺらりと渡された紙には大企業の名前と住所。
信号で止まるたびにルームミラーでA様を見れば、腕を組んで目を閉じているお姿。
普段なら綺麗だなぁとか、今こうして2人でいる事に喜びを感じるのだけれど、先程かなり怒って居たA様の様子にそんな考えは浮かんでこなかった。
到着して、乗り込んだ時と同じようにドアを開ければ降りてくるA様。
はらっと肩から流れる白銀の髪と、開けられた瞼から紫の瞳が覗いて出迎えた向こうの社員達が息を呑んだのがわかった。
「社長にお目通りを」
「アポは取っておられますか？」
「呼んだのは社長ですよ」
しまった。機嫌を取らないといけないのにいつもの調子で上からものを言ってしまった。
やべ。と思った瞬間、後ろに立っていたA様がクスッと笑った。
『九井一の使者だと伝えてくださる？
それで通じますわ』
ニッコリと宝石も霞むほど美しく微笑んだA様に皆が見惚れて、勢いよく走って行った。
『お前は本当に面白い』
未だ見惚れたままの私の髪を耳にかけ、そっと顔を近づけて囁いたA様に顔が熱くなる。
戻ってきた向こうの社員に案内されて着いた社長室。
部屋に入るなり立ち上がって身を乗り出した相手はA様を見て鼻の下を伸ばした。
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轟琴葉(プロフ) - 凄く面白くて小説の書き方や表現がとっても上手くて二、三度読み返してしまいました！これからも活動頑張ってください！ (3月24日 14時) (
レス) id: 527b239b5f (このIDを非表示/違反報告)
喜成 - 読み終わってしまったが。次何を読んだらいい?これ以上の作品ありゅ? (2023年4月21日 20時) (レス) @page41 id: 330e82b250 (このIDを非表示/違反報告)
玉兎(プロフ) - めいだぅ！さん» コメントありがとうございます！！嬉しい限りです😭 めいだぅ様にとって記憶に残る作品になれた事を誇りに思います✨ ありがとうございました🥰 ぜひ今後ともよろしくお願いいたします☺️ (2023年2月8日 16時) (レス) id: 5cb8755336 (このIDを非表示/違反報告)
めいだぅ！(プロフ) - 完結おめでとうございますうぅ😭ずっとずっと1番大好きな作品で追いかけさせて貰ってました😭この小説で号泣したり、笑ったり、ときめいたり、ほんとに素晴らしすぎる作品でした😭主さんの今後のご活躍楽しみにしてます(^ ̥_ ̫ _ ̥^) (2023年2月7日 23時) (レス) @page41 id: c10d69082a (このIDを非表示/違反報告)
玉兎(プロフ) - YUMiさん» コメントありがとうございます！！ そう言ってもらえると嬉しいです😭😭 沼にハマってください仲間です😂 こちらこそありがとうございます♡ ぜひまたよろしくお願いします✨✨ (2023年2月2日 20時) (レス) id: 5cb8755336 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：玉兎
| 作成日時：2022年9月28日 20時
