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ep312 ページ15

「で、将軍様は?」


話を逸らすべく、将軍様の容態を聞くが、


「事件前後の記憶をなくし、私達が坂田さんを逃したことも気付いていないようです」


あれまぁ、運がいいのか悪いのか……。


「他に負傷者は?」

「店の人間が2、3名負傷したので隊士達に手当てさせました。もちろん、死人はいませんよ。寧ろ1番重傷だったのが将軍様なくらいですから」


「そうですか、なら良かっ――おっと、失言ですね」


仮にも将軍様が大怪我負ってるのに“良かった”はダメだ。


慌てるふりをしながら口を押さえれば、呆れたような視線の佐々木局長と目が合った。




へへっと我ながら反省の色が見えない笑い声を立てて、思考を本題に戻す。


あの将軍様相手に楯突いて切り傷で収まったなら万々歳。しかも記憶が飛んでるって言うならなおラッキー。
そこは力一杯殴りつけてくれた銀時のお陰かな。

さもなくば、今頃店の人間は皆殺しだし、あの店は火の海だ。




「まあ兎にも角にも、全ては旧き者達に負ってもらいましょう」


そう語りながら佐々木局長はゆっくりと執務室の椅子に腰をかける。



「松平片栗虎に近藤勲、桂小太郎……旧き時代を彩った首を一堂に並べられるなんて新時代の幕開けにふさわしいでしょう」


想像したくはないが、私が将軍だったらそりゃあもう三日三晩踊り明かすくらいには最高の景色だろう。

だが、隣で話を聞く信女ちゃんはそうでもないらしく


「で、その新時代とやらで私達は何をやるの?
味方も敵もいなくなった残骸の上で、ふんぞり返って座ってオシマイ?」


「意外と座り心地いいですよ。アナタも司令座りしてみます?」

「そんな所に座るくらいなら地べたを這いずっていた方がマシ」


佐々木局長にからかわれると、不機嫌そうにそう言って執務室から去ってしまった。


「やれやれ、気の早い娘だ」

「誰に似たんでしょうねー?」

「また嫌味ですか……」


にこにこと笑みを浮かべながら首を傾げれば、溜息を返された。




 

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ギラッフェ(プロフ) - ろこもこさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて感謝しかありません。前作も必ず完結させるつもりですので長い目で見ていてくださると嬉しいです。これからもよろしくお願いします! (2022年1月18日 23時) (レス) id: 3534028906 (このIDを非表示/違反報告)
ろこもこ(プロフ) - 初めてコメントさせて頂きます!前作の最終兵器に宜しく からずっとファンです…!ギラッフェさんの小説は人物や世界観が作り込まれ、何より愛が感じられて大好きです!!これからも応援しています! (2022年1月18日 15時) (レス) id: c1accee4d9 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - むーさん» そう言っていただけて嬉しいです!ゆるゆる更新してますがどうぞこれからも宜しくおねがいします (2022年1月11日 19時) (レス) id: 3534028906 (このIDを非表示/違反報告)
むー - いつもギラッフェさんの語彙力が凄すぎて本当に尊敬します…これからも頑張ってください! (2022年1月10日 21時) (レス) id: c41de03eef (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - ゆりりんさん» コメントありがとうございます!そんなふうに想ってもらっていて感謝しかありません。これからもよろしくお願いします! (2021年11月3日 10時) (レス) id: 26330a8285 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ギラッフェ | 作成日時:2021年4月22日 16時

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