ep255 ページ8
こうして賊を見事討ち取った後、ササッと手元の人外兵器を人型に戻す百地。
そして何事もなかったかのように一同を振り返ると
「さぁ、では戻るかの」と言ってまた車椅子を押しながら歩き出した。
彼女についていきながら「えぇっと……」と聞きにくそうに新八が尋ねる。
「戻るってどこにですか?」
「忍の故郷――伊賀に決まっておるだろう」
そこにイエス、ノーを挟む余地など無いことを悟った面々はただ黙々と山道を進む。
そして伊賀の里に着いた一同は百地の客間へと繋がる長い廊下を歩いていた。
「すごく綺麗な里ですね……」
廊下から見下ろす伊賀の風景に新八と神楽が目をキラキラさせている最中、ふと百地が立ち止まった。
「どうかしましたか?」
そう問うた新八に
「また『あやつ』一人で鹿鍋を食べておるな」
百地は珍しく人間らしい呆れ顔をして呟く。
そう言われてみればなんとも肉のいい香りが漂っていることに気づく一同。
「あやつって……?」
尋ねた近藤に不思議そうな表情で首を傾げる百地。
「はて、そなたとは知り合いだと言っていたが?」
そう言われて眉をひそめた近藤。
誰だろうか?と、視線を彷徨わせながら考え込むことしばらく、それらしき人物に心当たりがあることに気づく。
思わず隣を見れば、眉間にシワを寄せて青筋をぴくぴくさせている土方。
自分の心当たりがそう的外れでもないことに「は、ははは……」と渇いた笑いしか出ない。
「それに、そなたらとも知り合いだと言っていた」
と言って万事屋の方を見る百地に首を傾げる3人。
しかし
「……と言うより今回の作戦にそなたらを加えようと進言したのは『あやつ』ぞよ」
その言葉にそれらしい人物が脳内をよぎった。
一同、しばらくの沈黙。
「おい、そんなわけはねぇよなぁ真選組さん。アイツは今、屯所出たっきり帰って来ねぇって言ってたもんなぁ?」
「あぁ、そうだ。こんな山奥の秘境で一人鹿鍋を食ってるわけが――」
そう言いながら足を踏み入れた客間には――――
「あ、皆さんお疲れ様でーす。賊は排除できました?
皆さんが帰ってくるまで食べないで待ってようと思ったんですけど、やっぱ無理でしたー。頭使うと尋常じゃなくお腹すくんですよー」
あははーと笑いながら鹿肉を頬張る、参謀の姿があった。
「「やっぱお前かァァァァァァアアア!!」」
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ギラッフェ(プロフ) - ゆうゆさん» コメントありがとうございます!楽しみにして下さってて本当に嬉しいです。これからもよろしくお願いします! (2021年3月1日 1時) (レス) id: c665168944 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - ひなたさん» コメントありがとうございます!テストに間に合ってよかったです。これからもよろしくお願いします! (2021年3月1日 1時) (レス) id: c665168944 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうゆ - 更新凄く楽しみに待ってました!応援してます、これからも頑張ってください!! (2021年2月26日 1時) (レス) id: 90e018deaa (このIDを非表示/違反報告)
ひなた(プロフ) - めちゃめちゃ楽しみにしてました!これからの展開が楽しみですこれで明日のテスト頑張れます! (2021年2月26日 1時) (レス) id: a90e951796 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - じゅうぞうさん» コメントありがとうございます!なかなか更新できずすみませんでした。応援ありがとうございます! (2021年2月26日 1時) (レス) id: c665168944 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ギラッフェ | 作成日時:2020年8月29日 0時