ep250 ページ3
「本当なの?」
見廻りに行った先行隊が何者かに殺害されていたという報告に猿飛は耳を疑った。
「あぁ。全員、背後から急所を一撃だ」
「御庭番の索敵を逃れて?裏切り者でもいると言うの!?」
裏切り者――その言葉で一同に緊張が駆け巡る。
「その可能性が高い。このまま西へ進むのは危険だ。一度部隊を集めて全員の身をあらためた方がいい」
そう提案された猿飛。
彼女は少しの間押し黙ると、すっと息を吸い込んで答えた。
「そんな面倒なことしなくてもここには裏切り者なんていないわよ」
そして、
「いるのは、顔は隠して殺気は隠せていない偽物だけ」
その言葉と共に目の前の忍2人の頭にくないを突き立てた。
それと同時に背後から現れた敵を斬り捨てる近藤と土方。
そして銀時は襲いかかってきた団子屋の女を後ろ手に気絶させた。
「やれやれ」と深く溜息をついた後、ゆっくりと立ち上がる銀時。
「ようやく罠にかかったと言うべきか、こちらがかかったと言うべきか……」
「化かし合いね……こっちは将軍に化けた影を用意していたけれど、敵は仲間に化けた影を潜り込ませてたみたい」
敵の覆面を剥がし、猿飛は言った。
「つまり――……敵も忍を使ってる」
その瞬間、眼前の崖から白装束の敵陣が一斉に押し寄せる。
圧倒的な頭数に護衛隊が圧される中、西へと急ぐ万事屋、猿飛。だが敵はその行手を阻む。
「さっちゃんさん、敵は一体……?」
「伊賀衆よ。間違いないわ。私達、御庭番衆を生んだ源流――忍の里の者達」
「じゃあ同胞がこんなことを!?」
驚く新八に対して猿飛は冷静に言う。
「御庭番は家康公によって召抱えられた伊賀の分流。でも伊賀に残った者達には将軍家への忠誠心なんて無い。金で買われる傭兵集団よ」
その集団が今度は将軍の首を狩るために動き出した。
忍の里そのものが将軍の敵に回った事実にもはや焦燥を禁じ得ない。
追手から逃げながら猿飛はこれほどの伊賀衆を動かせる人間に思考を巡らした。
――そんな真似が出来るのは伊賀三大上忍。藤林、百地、服部それぞれ三家の頭首だけ。
その厳しい結論に辿り着いた時――
「うぁあっ!!」
神楽が地面に引きずり込まれ、それと同時に新八が宙に吊し上げられる。
猿飛と銀時が振り向いた先には……
藤林家頭首、藤林鎧門。
百地家頭首、百地乱破。
件の伊賀三大上忍、二翼が立ちはだかっていた。
1081人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ギラッフェ(プロフ) - ゆうゆさん» コメントありがとうございます!楽しみにして下さってて本当に嬉しいです。これからもよろしくお願いします! (2021年3月1日 1時) (レス) id: c665168944 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - ひなたさん» コメントありがとうございます!テストに間に合ってよかったです。これからもよろしくお願いします! (2021年3月1日 1時) (レス) id: c665168944 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうゆ - 更新凄く楽しみに待ってました!応援してます、これからも頑張ってください!! (2021年2月26日 1時) (レス) id: 90e018deaa (このIDを非表示/違反報告)
ひなた(プロフ) - めちゃめちゃ楽しみにしてました!これからの展開が楽しみですこれで明日のテスト頑張れます! (2021年2月26日 1時) (レス) id: a90e951796 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - じゅうぞうさん» コメントありがとうございます!なかなか更新できずすみませんでした。応援ありがとうございます! (2021年2月26日 1時) (レス) id: c665168944 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ギラッフェ | 作成日時:2020年8月29日 0時